秦野産野菜を使った手作り料理が評判の食堂

名水の里として知られ、市内では畑も多く野菜などの栽培も盛んな秦野市で、地元市民からも支持される定食の人気店をご紹介します。秦野駅から歩いてすぐの「Ohana食堂」と東海大学前駅からバスでアクセスする「よい物語食堂」です。どちらも地元の野菜を使った手づくりのお料理が評判のお店です。丹沢周辺へのレジャーと合わせて、ぜひご利用ください。


肉と魚が選べる主菜と野菜たっぷり、彩り豊かなお惣菜が評判「Ohanaの台所」

秦野駅から北へまっすぐ進むとあるのが、「理想郷」を意味する「まほろば大橋」です。橋の下を流れる水無川は、丹沢山地を源流としており、市内各所に良質な湧水の恵みをもたらしてくれています。秦野が「名水の里」と呼ばれる理由です。

まほろば大橋を渡ってすぐ、通り沿いにあるのが、手づくりの家庭料理が評判の「Ohanaの台所」です。白い暖簾が目印で、駅からは、歩いて3分ほどで到着します。
店内はブラウン調の木製家具で統一され、一人で利用されるお客さまでも、ほっと落ち着ける空間が広がっています。座り心地のよい椅子に腰をおろせば、オーナーのハナコさんがお母さまと二人三脚で、手際よく料理と接客をされている様子が見えます。

「Ohanaの台所」という店名は、オーナーのお名前「ハナコ」と、ハワイ語で「家族」を意味する言葉「ohana」から名付けられたとのこと。その名の通り、自宅のダイニングキッチンに居るような温かい雰囲気が漂っています。

昼夜共通という食事のメニューは、一番人気の「お野菜たっぷりワンプレート定食」と、「ガパオライス」、「旬のお野菜スパイシーカレーライス」の3種類。

「お野菜たっぷりワンプレート定食」は、旬の野菜を中心にしたお惣菜と主菜(肉または魚をセレクト)、そして、ご飯と味噌汁のセットです。お惣菜も主菜も日替わりで、優しい味つけの家庭的な料理を楽しみに、週に何度も通う地元のお客さまもいらっしゃるそうです。

肉か魚を選べる日替わりの主菜は、この日の肉料理「茄子とズッキーニの豚巻き」をチョイスしました。旬の茄子とズッキーニを豚ロース肉で巻き、シンプルに塩胡椒で焼き上げてあり、自家製の「塩レモン」を添えて味わうと、まろやかな酸味と塩気が肉の旨みがぐっと引き立ち、最後まで爽やかに楽しめました。(ちなみに、この日の魚料理の主菜は、「いわしの蒲焼き」でした)

お惣菜の盛り合わせは、きゅうりと挽き肉の春雨サラダをはじめ、ゴーヤチャンプルー、塩胡椒とごま油で和えた人参シリシリ、塩たまご、じゃこと天かすをのせた冷奴、そしてツナ入りポテトサラダと、盛りだくさんな内容です。ご飯には自家製ブリのふりかけがトッピングされ、お味噌汁は大根と人参、玉ねぎがたっぷり。どれも丁寧な手仕事が伝わる、ほっとする味わいでした。

ポピュラーなタイ料理「ガパオライス」も人気メニューです。 サイコロ状に手切りした鶏肉に加え、大豆ミートも使っているのがユニークです。ほろ苦いピーマン(緑・赤)、濃厚なオイスターソース&ナンプラーの旨味と、自然農法により育てられた「ホーリーバジル(ドライ)」の爽やかな香りが見事に調和しています。野菜サラダと味噌汁もセットになった定食スタイルで提供されます。

ドリンクはソフトドリンクから、ビール、ハイボール、グラスワインまで揃っています。おすすめは、生姜の香りと辛みをいかした自家製のジンジャーエールで、甘みを抑えた、すっきりした味なので、食事との相性も抜群です。
ランチタイムは食事と一緒に美味しいドリンクを楽しみ、ディナータイムには、お酒にも合う「おまかせ料理」を味わいながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

以前も、ご家族とともに都内で飲食店を営んでいたという、ハナコさん。ある時、初めて訪れた秦野の豊かな自然と美しい景色に魅了され、「ここで暮らしたい!」と強く心惹かれたそうです。
念願叶って秦野へ転居したハナコさんは、「自然の恵みを身近に感じられ、人との距離が心地よいこの場所で、ほっと帰って来られる『台所』をつくりたい。飲食店を秦野でも始めたい」という想いを膨らませていきます。直観に導かれるように準備を重ね、2022年8月に「Ohanaの台所」をオープン。転居のインスピレーションを得たという「まほろば大橋」のすぐ近くに、晴れて暖簾を掲げることになりました。

学生時代から料理に親しみ、さまざまな飲食店の現場で経験を積んできたハナコさん。料理には、秦野近郊で育てられた野菜をふんだんに使い、水も「秦野の名水」を使用しているとのこと。

「お客さまと料理のお話をするのがとても楽しく、盛り上がります」と笑顔で話すハナコさん。お客さまからは、「野菜の美味しさをしっかり味わえる」「優しい味わいで、一品一品が丁寧につくられている」という声をいただくことも多いそうです。

秦野市内でのハイキングやレジャーの際に立ち寄り、アットホームな「台所」のような居心地のよい空間で、野菜たっぷり・愛情たっぷりの手料理を味わってみてはいかがしょう。

※掲載情報は取材日時点(2026年8月)のものです。


手作りで家庭的な味わいの一汁三菜定食が評判のお店「よい物語食堂」

小田急線「東海大学前駅」から、「秦野駅」または「下大槻団地」行きバスで4分ほど。「矢名」バス停で下車し、歩いて2分で到着するのが「よい物語食堂」です。晴れた日には、店頭から大山の頂を望むことができる静かな住宅街の中にあります。
毎週水曜~土曜日の週4日、11時~14時(ラストオーダー)のお昼のみ営業しているお店です。開店時刻になるとお客さまが来店しはじめ、正午前には満席になる日も多い人気店です。

バス停から路地を歩いて進むと、右手にお店が現れます。緑色のドアが目印です。店頭には、当日のメニューが手書きされた看板が置かれています。

よい物語食堂は、「東海大学前駅」近くで2025年9月末まで約6年間営業し、2026年1月にこの場所へ移転、リニューアルオープンを果たしました。旧店舗の頃は場所柄、学生のお客さまが多かったそうですが、現在は世代を問わず、地域のお客さまが訪れています。

お昼だけオープンする「よい物語食堂」ですが、メニューは1日1種の一汁三菜のみの提供となっています。一汁とは、みそ汁などの汁ものを指します。三菜とは、主菜と副菜を合わせて3品であることを意味し、これらをご飯と一緒に定食として提供しています。盛り付けには、地元の福祉施設で手作りされた陶器を使用しています。

献立のメインがお肉になる日もあれば、お魚になる日もありますが、すべてのお料理は店内にて、スタッフ総出で手作りしているとのこと。肝心なメニューの告知は、基本的に当日、店頭の手書き看板とSNSでの発信のみ。SNSでの告知も、開店準備に追われる日などは投稿が間に合わないこともあるそうで、店頭で献立を知るお客さまが多いのだとか。特定のメニュー目当てではなく、「よい物語食堂の一汁三菜」を楽しみに来店するお客さまが多いことが分かります。

夏のある日の一汁三菜は、旬の素材を使っていて彩りも豊かで華やかです。揚げ出し豆腐、サラダ、ちくわの煮物、ミニトマト。白ご飯にはしらすがたっぷり、大葉と青みかんもトッピングされています。冬瓜とえのきだけの入ったみそ汁と合わせ、夏にぴったりの定食です。ご飯は少なめ、普通、大盛から選ぶことができ、大盛でも価格は同じとのこと。

一口含むと、出汁の香りと旨味をしっかりと感じるみそ汁に、思わず笑みがこぼれます。鰹節を使って丁寧に出汁をひいて、つくっているのだそう。出汁をとった後の鰹節は、味付けされ、ご飯のお供として提供されることもあります。「できるだけ材料は余すところなく使い切るようにしています」と、店長の市川さんは言います。

別の日のメニュー、三色丼です。ほんのり生姜が効いたお醤油とお砂糖で味付けされた鶏そぼろ、シンプルな卵そぼろ、そして中央には青菜のお浸しがカットされて盛り付けられています。副菜の「炒め茄子」と「ゴーヤと塩昆布の和えもの」も、夏らしくさっぱりとしたお味で食が進みます。丼やプレートにご飯と一緒に具材がのる、カレーライスやタコライスなどの日もあるそうです。

開店当時からお店を支えるのが、店長であり料理番を務める市川さんです。朝7時前後から仕込みと調理を開始し、11時の開店に間に合うようにスタッフと協力して献立の全てを手作りしています。以前は社会福祉士のお仕事をされていたそうですが、店主の犬塚さんと出会い、この道へ。調理経験は少なかったそうですが、いきなり食堂の調理担当に転身したというのですから驚きです。「開店当初は、土井善晴先生のレシピ本を参考にしながら、お店の料理も作っていました。今も『さしすせそ』の基本の調味料を中心に味付けをしています。一汁一菜を掲げる土井先生の影響もあり、品数を少し増やした『一汁三菜』がお店のコンセプトとなりました」と市川さん。今では大量の調理もすっかり身につき、店長としてお店を切り盛りしています。

実は、手作りのケーキや焼き菓子も評判です。ショートケーキやチーズケーキなどをスタッフさんが手作りしており、毎日1~2種類が店頭に並びます。食後のデザートとしてオーダーされるお客さまも多いそうですが、中にはケーキだけを目的に来店し、テイクアウトされるお客さまもいらっしゃるのだとか。ケーキも食事と同じように、ほどよい甘さで優しい味わいです。コーヒーをはじめ、赤紫蘇ジュースや梅ジュースなど季節限定の手作りドリンクもあります。

店内飲食だけでなく、お弁当も販売しています。数が多い場合は、事前の電話予約で対応していただけるとのこと。お弁当をピックアップして、弘法山へハイキングなんていうのも良さそうですね。

お店には、お友達連れの女性やご夫婦だけでなく、男性のお客さまお一人でのご利用も多いとのこと。よい物語食堂の味は、どこか懐かしい手作りの味、良い意味で飾らない家庭的な味わいがホッとします。「この味に飢えていたんだ!」と感じる方も多いのではないでしょうか。土井先生のレシピをベースに、お客さまからのフィードバックを受けた今では、市川さん独自の味付けへと進化し、さらに地元ファンの心を掴んでいます。

「よく店名の由来を聞かれるのですが、ハレではなくケの日(普段どおりの日常)の料理、食事を楽しんでいただいて、1日を少しでも良い日にしてもらえたらなぁと思って、スタッフの皆さんと営業しています」と、店主の犬塚さん(写真左)。「人生の1日を良い物語に」という願いが、店名に込められているんですね。

手間暇を惜しまず調理した定食を、手ごろな価格でいただくことができる貴重なお店です。秦野周辺でのレジャーに合わせて、ぜひ足を運び、手作りの一汁三菜を存分に味わってみてはいかがでしょうか。

※掲載情報は取材日時点(2026年8月)のものです。


記事のスポット情報

INFORMATION

Ohanaの台所

秦野の名水と地元の旬の野菜を使った家庭的な料理が人気の定食店です。食事メニューはランチ、ディナー共通で、手づくり惣菜の盛り合わせに、肉・魚を選べる主菜が付いた「お野菜たっぷりワンプレート定食」、「ガパオライス」、「旬のお野菜スパイシーカレーライス」の3種類。ドリンクは自家製ジンジャーエール他ソフトドリンク、アルコールも各種揃っています。

INFORMATION

よい物語食堂

小田急線「東海大学前駅」からバスで4分、大山を望む閑静な住宅街に佇むのが「よい物語食堂」です。営業は水曜~土曜の11時から14時のお昼のみ、日替わりの一汁三菜を定食で提供しています。丁寧にひいた出汁が香るみそ汁と、手作りされたお惣菜は、どこか懐かしく、心温まる家庭的な味わいが評判です。食後には店内で手作りするケーキなどのスイーツも人気です。