厚木七沢で整う フィンランドサウナと自家焙煎コーヒー

神奈川県厚木市の七沢温泉には、本格派フィンランド式サウナを自然の中で体験することができる施設があります。サウナで「整った」後に、至福のコーヒータイムとして、寛ぎのひと時を楽しむことができる「パイオニアコーヒー工房」と合わせて、日帰りで楽しめるプランをご紹介します。

フィンランドサウナと湧き天然水風呂で整う「Sauna kota LEPO」

歴史ある温泉郷、美人の湯として知られる「七沢温泉」の一角、老舗旅館「福元館」の施設内に、2022年1月にオープンしたサウナ施設が「Sauna kota LEPO」です。七沢の豊かな自然の中で「整う」場所として、全国のサウナ好きの方々のサ活やサ旅の目的地として七沢の新名所となっています。

近年話題のサウナ浴ですが、興味はあるけれど、よく分からないというサウナ初心者の方々にこそ、ぜひ訪れていただきたい「Sauna kota LEPO」の魅力をご紹介します。

「Sauna kota LEPO」の利用には、事前の予約が必要です。毎日11時の開店から2時間ごとの時間制となっており、各回定員8名。21時まで営業されています。2回目以降の利用では、家族や友人らと貸し切り(要予約)もできるそうです。

到着後、まずは水着に着替え、サウナポンチョを羽織ったら2階のサウナエリアフロントでチェックインを行います(外気浴の際には、サウナポンチョの着用が必要です。サウナポンチョやタオルはレンタルがあります。水着はご持参ください)。屋外のサウナエリアには7m×3.5mの大きな楕円形プールと小さなログハウスのようなサウナ小屋が。さっそく、サウナ小屋に入ってみましょう。

木材の産地でもある近隣エリアの木々を利用し約4ヶ月かけ手作りされたというサウナ小屋。内部には、大きな薪ストーブがあり、薪が燃えているのが見えます。ストーブ上部にはサウナストーンが積まれており、ここにアロマ水をかけてスチームを発生させ「セルフロウリュウ」を楽しみます。

薪ストーブの丸い窓にはパチパチとはぜる音をたてながら、ゆらゆらと燃える炎。原料となる薪も近隣の倒木や間伐の木材を利用し、ナラや桜など使う薪によっても漂う香りも変わってくるそうです。

神奈川県では珍しい薪ストーブ式。気密性の高い小屋の内部でも、温度は80度~100度程度と、100度越えを謳うサウナスポットが多い中では優しい温度設定です。遠赤外線の熱がじんわりと身体を温めてくれ、ほどよい湿度もあってストレスを感じません。ベンチは上段、下段とあり定員8名が寛ぐことができる空間となっています。

室内はドアの丸窓から入り込む外光とフットランプのみ(日没後はキャンドルランタンを追加するだけ)。複数人でいらっしゃるお客様は、ほの暗く静かな空間の中で、薪ストーブの揺れる炎を眺めながら会話を楽しむ方も多いそうです。サウナ初心者にとっても熱すぎない空間が心地よく、ゆっくりとおしゃべりをするほどに余裕のあるサウナ浴を楽しむことができそうです。

身体が十分に温まったら、七沢の温泉と同じ源泉から汲み上げた鉱泉(源泉温度は24℃、アルカリ性。外気温によって水温は変動)のかけ流しのプールを水風呂的に入るもよし、フルリクライニングにもなる「整い」デッキチェアでゆっくりと外気浴しながら放心するもよし。そして身体が落ち着いたらまたサウナ小屋へ。このループをマイペースで繰り返すのみ。

人工的な音がほとんど聞こえないような七沢の自然の中で、ただただ身体を温め、休めるだけという2時間。身体も脳も多忙を極める現代人において、これほど贅沢な時間の使い方は無いのかもしれません。

「Sauna kota LEPO」という店名の、kotaとはフィンランド語で「小屋」、そしてLEPOは「リラクゼーション」を意味するそう。ここ「Sauna kota LEPO」では、リラックスしながら自然と「整う」ことが出来そうです。

フィンランドサウナを体験したいというサウナ経験者の方も、初心者の方も心ゆくまでリラックスできるスポットです。事前に予約をしたうえで、水着をもってお出かけください。


徹底したこだわりの本格焙煎コーヒー「パイオニアコーヒー工房」

パイオニアコーヒー工房は、厚木市で1996年に業務用焙煎卸売りからスタートしたコーヒー豆専門店。代表の橘川さんが焙煎に興味を持ち始めた頃、知り合いに偶然紹介され出会ったのが、後継者を探していたパイオニアコーヒー工房の前代表だったそう。焙煎の技術を教えてもらいながら、2012年9月に引き継いだ橘川さんは、2014年に七沢のこの場所へ工房を移転。以来、業務用の焙煎卸売り以外にも一般のお客様への豆の直売とコーヒーやお菓子を提供するカフェの営業を続けています。

先代から引き継いだ「自分とほぼ同年齢」という大きな焙煎機で毎朝いろんな種類のコーヒー豆を焙煎しています。一度に10キロ焙煎できる容量ながら、繊細な焙煎具合を調整するため一度に焙煎する量は2キロ~3キロにしているとのこと。その分、焙煎回数が増え時間もかかるけれど、品質を高めることを優先されているそうです。

「焙煎で大切なのは色と香りと、音です。私の場合は、特に音で焙煎機の中にある豆の状態を聞きわけて仕上がりを見極めています」という橘川さん。

夏場では朝から40℃越えとなる厳しい環境の中でも「焙煎が好きだから」と季節を問わず豆の音を聞き分けやすい静かな早朝から焙煎をされているそうです。

ドリップしたコーヒーを原料に使ったオリジナル商品「七沢コーヒーソフト」がたっぷりのった人気の「コーヒーフロート」。夏だけでなく通年いただくことができます。サウナ後にもぴったり!

併設のカフェ「ともりびkafa」では、焙煎された豆を選びオーダーできるホットコーヒーをいただくことができます。またコーヒーと一緒にオーダーしたいのは、本厚木の人気洋菓子店「パティスリーエスポワール」のスイーツ。写真のカステラのほかにも、パイオニアコーヒー工房のコーヒーを使用し製造されているチョコレートケーキ「オペラ」なども人気とのこと。(日によって売切れや種類が異なる場合も)

コーヒー豆は定番・ロングセラーの「七沢ブレンド」と月替わりで豆も焙煎も変わる「こよみ珈琲」の他、産地や農園ごとの豆がすべて100g単位で購入することができます。自宅で一杯ずつ気軽に試してみたい方には、ドリップバックがお薦めです。

世界的にコーヒー豆が高騰する昨今でも、パイオニアコーヒー工房の丁寧な仕事ぶりや品質への姿勢が伝わり、先代時代から取引が続く飲食店のみならず、新たに取引がはじまった各地の飲食店、そして近隣のコーヒー好きのお客様、取り寄せをされるお客様と、ますますパイオニアコーヒー工房の自家焙煎コーヒー豆が支持されています。


古民家を改装し焙煎工房に豆の直売所と併設喫茶「ともりびkafa」を擁する「パイオニアコーヒー工房」は、「広沢寺温泉入口」バス停からすぐの場所にあります。フィンランドサウナ「Sauna kota LEPO」で整った後はもちろんのこと、自然豊かな七沢周辺の散策の合間のコーヒーブレイクやお土産のお求めにぜひお立ち寄りください。


この記事のスポット情報

今回は、小田急線を利用し、神奈中バスで七沢温泉エリアを訪れ、本格的なフィンランドサウナと自家焙煎コーヒーを味わう日帰りプランのご紹介でした。本厚木駅までは新宿駅から50分弱で到着します。

豊かな自然の中でリラックスしたり、こだわりのお店で美味しいものを味わうことができる厚木市七沢へ、ぜひお出かけください。

※掲載情報は取材日時点(2023年9-10月)のものです。

INFORMATION

Sauna kota LEPO

美人の湯として知られる「七沢温泉」の一角、老舗旅館「福元館」の施設内に、2022年1月にオープンしたサウナ施設。神奈川県内では珍しい薪ストーブ式で、本格的なフィンランドサウナの心地よい熱さを求め全国からサウナーが訪れています。

INFORMATION

パイオニアコーヒー工房

厳選されたコーヒーの生豆を大きな専用焙煎機で少量ずつ焙煎するこだわりのコーヒーロースター。「広沢寺温泉入口」バス停からほど近い店舗では、豆の購入だけでなく、焙煎されたばかりの新鮮なコーヒーを味わうことができるカフェも併設しています。