小田原漁港が近い秦野!新鮮ネタで支持される地元で人気のお寿司屋さん

表丹沢の麓、名水の里としても知られる秦野は、地域に根差して営業するお寿司屋さんが多いことをご存知でしょうか。実は、神奈川県西部最大の水揚げを誇る小田原漁港(小田原市公設水産地方卸売市場)まで、車で30分強という近さの秦野市。その地の利を活かした評判の寿司店「鮨市場 春」と「銀八鮨本店」をご紹介します。美味しいお寿司を味わいに、ぜひ秦野へお出かけください。

表丹沢の麓で味わう相模湾の魚介と三浦の鮪。鮮度抜群のネタが身上の「鮨市場 春」

県立秦野戸川公園や表丹沢の峰々の玄関口となる大倉へ向かう途中、つまり山に向かって進む道すがら、いつも多くのお客さまで賑わっている「鮨市場 春」が気になっていた方も多いのではないでしょうか。

丹沢や大山の麓で、開店から間もなく30年を迎えるお寿司屋さんです。自然豊かで山の幸のイメージの強い秦野の地で、「新鮮なネタが評判」で、地元のお客さまを中心に支持されています。それもそのはず、隣には、祖業である魚屋「魚春」が軒を連ね営業しています。

渋沢駅からはバスで7分ほどの場所、大山山頂を望む「大倉入口」交差点にお店があります。すぐ近くに「大倉入口」バス停があり、駅からバスでも簡単にアクセスできます。

鮨市場 春の店内は小上がりにテーブル席が6卓とカウンター席が並んでいます。毎日11時に開店し21時まで通し営業(ラストオーダー20:30)。週末だけでなく、平日も開店直後から続々とお客さまが来店し、すぐに満席になる人気ぶりです。レジャー前の腹ごしらえなら、事前の電話予約で、11時半までの入店をお薦めします(事前予約は、11時半までに入店可能な場合のみ受付)。

また、午後も休まずに営業されているのも嬉しいポイントです。外遊びや下山時間が延びても、鮨市場春に行けば、美味しいお寿司が確実に食べられるというのは心強いですね。

カウンターの奥にある、「つけ場」で腕を振るうのが、店主の萩原良康さんです。にぎりも巻物も見事な手さばきで、お客さまのオーダーに応えてゆきます。

にぎりをはじめ、巻物やちらし寿司などの食事系を中心に一品料理までが揃うグランドメニューの他に、11:00から14:00までのランチ限定メニューが充実しています。例えば、ネタや数が異なるにぎり寿司5品を皮切りに、バラと五目のちらし寿司が2種、さらに刺身定食とフライランチ(魚介とヒレカツ)の全9品が用意されています。

今日は、ランチメニューの中でも特に人気という「上ランチ10貫(写真上)」をいただきます。

この日の上ランチは、中トロ、赤身、白身(ブリ)、イカ、貝類(ホタテ)、光物(鯵)、甘えび、玉子、いくら、かにで、全10貫。肉厚に切られた新鮮なネタは、魚介の旨味が溢れ、ほどよく酸味の効いたシャリとよく合います。毎日焼き上げるという玉子焼きもダシが効いて、甘さは控えめの上品なお味。もう一貫食べたくなる味わいです。「同じネタを追加で注文されるお客さまも多いですよ」と、店主の萩原さんが、はにかみます。

ランチメニューには、全てミニサラダ、釜揚げしらす、そしてお味噌汁が付いています。

また、季節ごとに変化するという一品料理も、昼夜問わず人気とのこと。お寿司にも合いそうな、旬のカキフライと茶碗蒸しもオーダーしてみました。揚げたての小ぶりの牡蠣は、味も濃厚でクリーミ―。熱々の茶碗蒸しは、具材に蟹の身も。口どけするような食感も絶妙です。

他にも、毎日15種程度は揃うという魚介のお刺身(単品)やお造り(盛り合わせ)をはじめ、揚げ物は定番のアジフライから季節限定の白子の天ぷらなどメニューが充実しています。

丹沢の自然の中で身体を動かした後に、乾いた喉をビールで潤しながら、まずは一品料理楽しんで、〆にお寿司というのも良さそうです。

鮨市場 春の開店は、30年ほど前、1996年4月まで遡ります。この場所で、魚屋として商売を始めた父の春さんが、自宅兼店舗を新築する際に、魚屋の隣に寿司屋を新たに開くことにしました。長男である萩原さんは開店当初から、新規事業としてスタートした同店を任され、今年30年を迎えるに至りました。来年で創業50年を迎えるという魚春は、弟の真澄(写真右)さんが継ぎ、ご兄弟でご商売を続けています。

隣接する魚春の売り場に並んでいる種類の豊富さ、そして鮮度の良さは素人が見ても、その違いが分かるほど。海の近い湘南エリアにも引けを取らない、目利きの魚屋さんであることがわかります。「基本的には毎日小田原の漁港まで仕入れに行っています。鮪は三崎漁港で一本買い、見定めてセリで仕入れてますよ」と、魚春を切り盛りする真澄さん。実は、秦野市をはじめ伊勢原や厚木の多くの飲食店やゴルフ場などにも鮮魚を卸しており、プロの料理人からも支持される地域に欠かせない魚屋さんなのです。すぐ隣で寿司を提供する鮨市場 春のネタが格別な理由がここにあります。

「平日は、比較的ご近所のお客さまが多く、週末は遠方からのご家族連れでのご来店も多いです。登山帰りのお客さまの姿も増えています」と、開店以来「鮨市場 春」の暖簾を守り続けてきた良康さんが、目を細めます。

大倉からは緩い下り坂を歩いて25分ほど。県立秦野戸川公園でのレジャーと一緒に、または塔ノ岳や鍋割山など表丹沢の山歩き後に、鮮度抜群のネタのお寿司を味わいにお立ち寄りください。お店近くにあるバス停からは、渋沢駅だけでなく、秦野駅へもアクセスできます。(いずれの方向へも丹沢・大山フリーパスを利用することができます ※秦野駅方面は秦51系統を除く)

※掲載情報は取材日時点(2026年1月)のものです。

INFORMATION

鮨市場 春

表丹沢や県立秦野戸川公園のある大倉へ向かう途中の大倉入口にある「鮨市場 春」は、創業50年を迎える老舗の魚屋「魚春」が営む寿司屋です。小田原漁港から仕入れる魚介をはじめ、三崎漁港から仕入れる鮪も鮮度良く、ネタに定評があります。11時~14時までのランチタイム限定のメニューが人気で、平日、週末問わず開店から多くのお客さまで賑わっています。


地域で愛されて50年超。江戸前寿司から和食の一品料理まで揃う「銀八鮨本店」

弘法山公園や秦野市カルチャーパークなど桜の名所も多い秦野市において、県内一の長さ(約6.2km)を誇り、約700本の桜のアーチで目を楽しませてくれる「はだの桜みち」はひときわ有名です。その桜みち沿いにお店を構えるのが「銀八鮨本店」(1975年創業)です。渋沢駅北口から歩いて13分ほどの場所にあります。

江戸前のにぎり寿司から和食の一品料理まで揃う豊富なメニューが人気で、半世紀にわたって地域のお客さまから愛されているお店です。

広々とした店内にはカウンター12席とテーブル席があり、開放的な雰囲気の中で、キビキビと手際よい板前さんたちの仕事ぶりを見ながら、食事を楽しむことができます。二階は最大90名まで対応できる大宴会場となっており、地元の人々の集いの席として重宝されているそうです。

大きな窓から明るい光が入る6人掛けのテーブル席。奥には掘り炬燵式の個室が3部屋(写真右)あり、ご家族連れのお客さまも周りに気兼ねなく、ゆったりと過ごすことができます。

ランチタイムは、「上ランチにぎり」、「地魚にぎり」、「本マグロ三昧」など10種類以上のにぎり寿司と海鮮丼、海老天や海鮮かき揚げの天丼に加え、一品料理もあるというバラエティ豊かなメニューとなっています。(平日、土日祝とも共通メニュー)
いただいた「上ランチにぎり」は、ネギトロ細巻、本マグロの中トロ、アオリイカ、サーモン、鯵、生赤エビ、ハマチ、イクラ、玉子という内容。少し甘めのシャリが、鮮度の良い厚切りのネタによく合い、大満足のお味とボリュームでした。(にぎり寿司には汁物と茶碗蒸し、丼物には茶碗蒸しが付いています)

寿司ネタは、すべて板前さんが市場で直接目利きして仕入れたもの。脂がのって、旨味のある本マグロの大トロと中トロ、近海ものの平目や活鯛、貝類、小田原の鯵といった具合に、旬の鮮魚を吟味し、シャリに使うお米は寿司に合う新潟産のものを地元の米穀店から仕入れているそうです。

つけ場に立ち、自ら寿司をにぎる社長の茅ノ間(かやのま)さんのおすすめは、穴子、小肌、玉子焼き。鮮度だけでなく、素材の味を最大限に引き出す「仕事」が必要なネタは職人の腕の見せ所で、「ふっくらと煮あげた穴子には甘めのツメ。小肌はネタの大きさや脂のノリによって、そのつど(塩と酢の)締め方を変えています。」とのこと。

丁寧に煮含められた穴子の深い味わいと絶妙な締め具合の小肌。職人の技が光るこの二品。次回訪れた際は、必ず注文したいと心に誓いました。

にぎり寿司に加え、一品料理の品揃えも充実しています。カウンターの板前さんとは別に、和食の料理長が揚げ物や焼き物、煮物などの料理全般を担当し、コース料理、宴会料理も含め豊富なメニューを提供しているそうです。
「上天ぷら盛り合わせ」は、ぷりぷりの海老(2本)、ふっくら柔らかいブリとイカ、そして、舞茸、蓮根、かぼちゃ、ピーマン、人参、茄子、玉ねぎという内容。魚介はもちろん、野菜も産地と旬にこだわり、素材の持つ深い味わいを活かしています。

お寿司の前に注文したいのが「アラの煮つけ」です。贅沢に3種類の魚のアラを使い、甘辛く煮た一皿は隠れた人気メニューで、ビールやお酒の供にもピッタリ。魚は仕入れによって変わりますが、この日は真鯛、金目鯛、ヒラマサの3種類でした。

銀八鮨の創業は1975年。長崎県の寿司店で修業を積み、秦野や平塚の飲食店で腕を磨いた先代社長が、秦野の水の良さに感動し「この水なら、納得のいく最高の料理ができる」と確信。自分の店を持つならココ、と決めて、秦野の春日町に念願の店をオープンしました。開業してすぐに、ネタの良さと気取らない雰囲気が評判となり、幅広いお客さまの支持を得る人気店となりました。

2002年には、現在の場所(堀川)に本店を移転。本格的な江戸前寿司から多彩な日本料理までの品揃えと、お祝い事や法事、宴会にも対応できる店として、さらに多くのファンを獲得します。また、春日町の旧店舗は出前専門店となり、にぎりたてのお寿司を気軽に自宅で楽しめるということで、地域の食卓の強い味方となっています。

現社長の茅ノ間さんは、会社勤めを経て、1991年に銀八鮨に板前見習いとして入店。父親である先代の、「5年辛抱すれば、自分の世界をつくれる」という言葉を励みに、玉子焼きや出前の仕事からスタートし、
修業を重ねます。そして、1996年に店長に、2015年には二代目社長に就任されました。
50年の歴史と暖簾を背負う茅ノ間さん。その快活で親しみやすい人柄で寿司をにぎる姿に、あちらこちらから「大将!」と声がかかります。そのやり取りからも、秦野の街にしっかりと根付いたお店で、ネタも味も信頼されていることが伝わってきます。

秦野散策の際に立ち寄り、名水の里の江戸前寿司を堪能してみてはいかがでしょうか。

※「はだの桜みち」の写真は秦野市提供
※掲載情報は取材日時点(2025年12月)のものです。

INFORMATION

銀八鮨本店

板前さんが市場で直接目利きして仕入れた旬の鮮魚のネタが自慢の江戸前寿司のお店。江戸前にぎり寿司と海鮮丼などの丼物のほか、一品料理やコース料理まで揃う豊富なメニューが魅力です。カウンター、テーブル席、掘り炬燵の個室と揃っているので、お一人様から家族連れ、グループの会食まで様々な利用ができます。
「はだの桜みち」沿いにあり、春にはお店を彩る桜の木のアーチが見事です。