菩提と菜の花台を繋ぐ「向山林道ハイキングルート」を歩き、蓑毛でニジマス料理に舌鼓
表丹沢の麓、里山の景色が広がる菩提(ぼだい)地区から、2025年に整備された「向山林道ハイキングルート」を歩いて、丹沢大山国定公園内にある菜の花台園地へ。展望台で絶景を楽しんだ後は、蓑毛マス釣りセンターが営む「みのげ茶屋」で、新鮮な川魚料理を味わいましょう。初心者でも歩きやすく、見晴らしもよい秦野市のハイキングコースをご紹介します。
【菩提~菜の花台~蓑毛へのコース】
一部、登山道を歩くため、登山に向いた装備、服装でお出かけください。記載の時刻は、平均的な時間となります。目安としてください。
【7:45】秦野駅
【8:10】バス(「秦野駅北口」から「渋沢駅北口行」/菩提原下車 ※事前にバス時刻をご確認ください)
【8:23】菩提原着、徒歩出発
【8:40】向山林道入口
【9:00】向山林道ハイキングコース入口
【10:00】菜の花台着(30分休憩のち10:30徒歩出発)
【11:00】浅間神社
【11:30】蓑毛着
【11:40】蓑毛マス釣りセンター、みのげ茶屋、周辺散策
【14:33】バス(「蓑毛」から秦野駅北口行 ※事前にバス時刻をご確認ください)
【14:55】秦野駅着
・徒歩距離 約8.2km
※上記時刻は目安です(土休日ダイヤ) ※バスや列車の時刻は変更となる場合があります
◎秦野駅・渋沢駅から「菩提原」へのアクセス
「秦野駅北口」「渋沢駅北口」の両駅から、バスで「菩提原」バス停へアクセスできます。また「蓑毛」から秦野駅へもバスが運行しております。今回ご紹介するコースの往路、復路で利用するバスは、すべて丹沢・大山フリーパスで乗車することができます。
里山の景色が広がる菩提(ぼだい)から「向山林道ハイキングルート」で菜の花台へ


表丹沢の麓に位置する菩提(ぼだい)地区は、のどかな里山の景色が広がるエリアです。丹沢に源流をもつ葛葉川(くずはがわ)が流れ、流域には畑が点在、その一部では秦野市の特産品である茶葉も栽培されています。付近には、縄文時代後期前葉から中葉(約3,500年前)のものとされる「菩提横手遺跡」や古墳群もあり、古くから人々が集団で生活を営んできたこと、集落があったことが窺い知れる地域です。
この菩提にある向山林道と、ヤビツ峠に向かう途中にある「菜の花台」を結ぶ「向山林道ハイキングルート」が2025年に整備されました。今回は、秦野駅北口からバスに乗車し、「菩提原」バス停から向山林道に入り、菜の花台を目指します。

「菩提原」バス停からは、表丹沢の三ノ塔と二ノ塔などの頂を結ぶ稜線を見ながら、葛葉川沿いを上流に向かって歩きます。新東名高速道路をくぐった先にある葛葉川にかかる「向山橋」を渡り、向山林道入口へ。向山林道ハイキングルートの詳細は、秦野市役所発行のこちらのマップをご覧ください。


向山橋を渡り、ゆるやかな坂道を進みます。熊野神社の小さなお社の先、左手に向山林道(シカ柵のフェンスが目印)の入口があります。振り返ると、新東名高速道路の先に、秦野市街の景色を見渡すことができます。
向山林道入口のシカ柵は、左側の鉄棒を持ち上げて先へ進みましょう。なお、向山林道の道中には、数か所シカ柵があります。通過したら、必ず元に戻しましょう。


表丹沢のすそ野を通る向山林道は、古くから地域の人々の仕事や生活に欠かせない道でした。近年は、主に地域の「みつまたの会」が中心となって整備を進めてくださったおかげで、春先にはミツマタが咲き、秋には紅葉の中を気持ちよく歩くことができます。近くを流れる新田川(あらたがわ)のせせらぎや鳥のさえずりが響く林道を、森林浴を楽しみながら進みましょう。


比較的平坦な向山林道を進んでゆくと、菜の花台へ至る「向山林道ハイキングルート」の入口があります。ここから菜の花台までは、坂道が続く登山道となります。


杉林の中をしばらく登ると視界が開けたビュースポット(写真左)に到着します。ここからは、秦野や松田町方面の景色を見ることができます。この先は、ブナ林や尾根を歩くことも増え、明るくなってきます。
整備されて間もないコースのため、柔らかい土の上など、一部は登山道が崩れやすくなっている箇所がありますのでご注意ください。道標とピンクのテープを目印に、登りとトラバース(斜面を横切るように水平(または斜め)に移動)を繰り返しながら、進んでゆきます。送電線の鉄塔脇を通れば、菜の花台まで間もなくです。

鉄塔から続く緩斜面を経て、「菜の花台展望台」の裏手に到着します。向山林道ハイキングコースは、距離は短いですが、菩提(標高約271m)から菜の花台(標高約570m)へ、標高差300mほどを一気に登るため、体力を要します。岩場や鎖場などの難所はありませんが、休憩を入れながら、マイペースで歩きましょう。


◎菜の花台
菜の花台は、丹沢⼤⼭国定公園内にある展望スポットです。敷地内には、展望台をはじめ、休憩用ベンチ、公衆トイレ、駐車場が整備されています。西側には富士山、南側には秦野の市街地の先に広がる相模湾、そして東から北側には大山や表丹沢の山容の展望が広がっています。春にはソメイヨシノが咲き、秋には紅葉を楽しむこともでき、ピクニックにも最適です。自然に囲まれ視界が開けていることから、バードウォッチングのスポットとしても有名です。


県道70号線でヤビツ峠に向かう途中にあり、「秦野駅北口」から「ヤビツ峠」行きバスを利用し、アクセスすることもできます。バスは便数が限られていますので、事前に時刻表をご確認の上、ご利用ください。菜の花台の詳細については、こちらのページも合わせてご覧ください。


◎浅間神社
菜の花台での休憩や景色を楽しんだら、麓の蓑毛に向かって、県道70号線を下ります。
菜の花台から30分ほど歩くと「浅間神社」があります。階段の先の鳥居をくぐると、観世音菩薩さまなどの石仏と小さな祠が出迎えてくれます。蓑毛からヤビツ峠を越えた一帯は、江戸時代は幕府直轄の御用林が広がり、林業で栄えた地域です。浅間神社は、山の安全と林業など山の繁栄を願い地域の人々が築き、守り続けてきた神社です。周辺は、「神奈川県山岳連盟」によって整備され、大山の頂がよく見えるビューポイントもあります。


◎蓑毛(みのげ)
ヤビツ峠を通る県道70号線は、往復2車線の車道です。きつい坂道が続くことから、サイクリストやランナーたちの聖地としても人気ですが、歩道は限られています。車両に注意しながら歩きましょう。
浅間神社から30分ほどで、蓑毛に到着します。菩提から菜の花台、そして蓑毛へ至る半日のハイキング、お疲れ様でした!
この蓑毛からは、ヤビツ峠へ至る柏木林道や蓑毛越えを経て大山山頂へ至る古道を歩く、登山道もあります。山歩きに慣れてきたら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
蓑毛からバスに乗車すれば、25分ほどで小田急線秦野駅へアクセスできます。平日・土日を問わず朝から夜までバスが運行しているので、アクセスも良好です。
なお蓑毛は、江戸時代には宿坊も軒を連ねるなど大山詣りの西側の玄関口として栄えた地域です。さらに遡ると、742年に行基(奈良 東大寺大仏の造立に協力した高僧)により「大日堂(写真右 大日堂の仁王門)」が開かれた歴史ある土地でもあります。歴史と自然に恵まれた蓑毛エリアの周辺散策もおススメです。
清流・金目川流れる蓑毛の里で川釣り体験とニジマス料理に舌鼓


ハイキングを楽しんだら、大山と表丹沢の麓 秦野らしいレジャーと食事を楽しみましょう。
蓑毛バス停から歩いて3分。金目川(かなめがわ)沿いにあるのが3月~11月の土日祝日にオープンする「蓑毛マス釣りセンター」です。ニジマスの池釣りと川釣り、さらには川辺でBBQ(要予約)を楽しむことができるレジャースポットです。釣りに必要な道具やエサも用意されているので、手ぶらで訪れても楽しむことができます。荒天の場合は、休業することもありますので、お出かけ前にホームページやSNSをチェックして出かけましょう。


手軽に楽しめる池釣りは、ハイキング後のレジャーにもぴったりです。釣ったニジマスは買い取り制ですので、食べる量や持ち帰ることを考えて、楽しみましょう。
一方で、区画に放流する量(8匹~)を決めて購入して楽しむのが、川釣りです。放流分を釣り上げるか、手掴みしてでも確保しましょう!自然のロケーションの中でじっくりとニジマスと向き合います。川の流れの中に、大小の天然石で囲みが作られており、流れも緩やかなため、お子さまでも安心して川釣りや掴み取りが楽しめるようになっています。
そして釣り上げたニジマスは、隣接している「みのげ茶屋」で塩焼きに調理してもらい、いただくことができます。


隣接する「みのげ茶屋」は、ニジマス料理などしっかりした食事から茶屋らしい軽食や甘味までが揃うお店です。蓑毛マス釣りセンターと同じく、土日祝日(3月~11月)に開店します。午前中は大山や表丹沢へ登る前の腹ごしらえに、午後は下山後の食事にと立ち寄るハイカーも多く、飲食店が少ない蓑毛エリアで重宝されているお店です。


なにはともあれ、新鮮なニジマス料理をいただきましょう。もちろん釣りをせずともニジマス料理を味わうことができます。定番の塩焼きは、オーダーを入れてから、泳いでいたニジマスを締めて、焼き始めます。その鮮度は、強火にかけられた途端に、網の中で動くほど。生から焼き上げるため、少なくとも20分ほど時間を要しますが、待つ価値のある逸品です。

湯気が立ち上るニジマスは、熱々のうちにいただきましょう。皮の下には、ふっくらと焼きあがった白身がたっぷり。柔らかい身を口に運ぶと、脂ののった旨味が広がります。クセも臭みもなく、焼き魚が苦手なお子さまでもパクパクと食べてしまう、というのもうなずける美味しさです。ビールなどお酒と一緒に楽しむのも良さそうです。


塩焼きと一緒にオーダーするお客さまが多い定番メニューが「塩おにぎり」です。炊き立てのご飯で握られた優しい食感がどこか懐かしく、ほのかな塩味がごはんの甘さを引き立てるようで、思わず笑みがこぼれてしまいます。ニジマスとの相性は、言わずもがな。染み入るような優しい味わいが広がります。
先代が蕎麦屋さんとして創業したというだけあり、山菜そばや、きのこ蕎麦など蕎麦メニューが充実しています。肌寒い季節には、お揚げが3枚ものった「きつねそば」が人気なのだとか。少し甘めに味付けされたお揚げがジューシーで、リピートされるお客さまも多い一品というのも頷けます。


茶屋らしく甘味メニューも充実しています。川沿いの清らかな空気の中いただくお抹茶やかき氷は、また格別の味わいです。コーヒーなどのソフトドリンクやビールなどお酒も揃っており、ハイキングや釣りなどを楽しんだ後の一服にもぴったりですね。


ニジマスをはじめとする味に定評があるみのげ茶屋ですが、もう一つの特徴はテラス席の居心地の良さと言えそうです。金目川を見下ろすデッキには、天然木で作られた大きな丸テーブルがあり、ご家族やグループでの利用にもぴったりです。春には新緑が、秋には紅葉の中、食事や喫茶を楽しむことができます。
江戸時代には、大山詣りの玄関口として栄えた蓑毛で、先代からご家族で営業を続けるみのげ茶屋。令和となった現在も変わらずに、ハイカーや釣りを楽しむ人々の食事処、休憩処として支持されています。マス釣り体験やニジマス料理を味わいに、秦野市蓑毛へお出かけください。
この記事のスポット情報
INFORMATION
蓑毛マス釣りセンター・みのげ茶屋
大山と表丹沢の麓に位置する蓑毛(みのげ)にあるニジマス専門の池釣り、川釣りを体験できるレジャースポットです。金目川の川辺では、釣り上げたニジマスなどを食材にBBQも楽しむことができます。隣接するみのげ茶屋は、ニジマスの塩焼きをはじめ、お蕎麦やカレーライス、甘味などもあり、大山などへ登山するハイカーの食事処、休憩処として重宝されています。営業日をご確認の上、お出かけください。
INFORMATION
蓑毛(みのげ)
神奈川県秦野市の蓑毛(みのげ)地区は、江戸時代には大山詣りの西の玄関口として、それ以前は大山一帯の山岳信仰の修験の拠点として栄えた歴史ある地域です。国登録有形文化財の「蓑毛大日堂」などの史跡が点在しています。
秦野駅からバスで約25分とアクセスも良好。「蓑毛」バス停には、公衆トイレも整備されています。ヤビツ峠への入口であるほか、ヤビツ峠へ至る「柏木林道」や蓑毛越えを経て大山へ続く登山道の起点でもあり、多くのハイカーに親しまれています。豊かな自然と歴史が魅力的な秦野の里山散策にお出かけください。
INFORMATION
菜の花台
ヤビツ峠に向かう途中、県道70号沿いにある展望スポットです。菜の花台展望台からは富士山はもちろんのこと、眼下に広がる秦野の街や三浦半島から伊豆半島まで相模湾を一望することができます。敷地内にはベンチもあり景色を見ながらピクニックを楽しむこともできます。朝陽や夕陽、夜景観賞スポットとしても人気です。