伊勢原で見つけたランチが評判の古民家カフェ
神奈川県伊勢原市にある、美味しい料理と居心地の良い古民家風の空間が人気のカフェ「葉っぱのきもち 森のカフェ」と「オリーヴの樹」をご紹介します。いずれも駅からは少し距離があるものの、足を伸ばしたくなる魅力的なお店です。大山阿夫利神社や日向薬師への参拝・ハイキングなどで伊勢原へお出かけの際には、ぜひお立ち寄りください。
緑に囲まれた一軒家カフェでゆったり楽しむワンプレートランチ「葉っぱのきもち 森のカフェ」
大山の麓に位置し、日本三大薬師の一つとして古くから篤い信仰の対象となってきた「日向薬師(宝城坊)」。
その日向薬師へ伊勢原駅から向かう道中にある「葉っぱのきもち 森のカフェ」は街中の喧騒とは無縁の、緑に囲まれた隠れ家のようなお店。季節の食材を使ったヘルシーなワンプレートランチと手づくりケーキが評判で、11時の開店早々からお客さまが次々と訪れる人気のカフェです。
お店の駐車場から少し歩き、ガーデンアーチをくぐって玄関アプローチを進みます。異世界への入口のようで、ちょっとワクワクするエントランスです!
ブルーのトタン板を貼り合わせた壁と黄色いドアがお洒落な入口から中へ。玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えるスタイルなので、カフェというより友人の家に遊びに来たようなリラックスした雰囲気です。
店内はフローリングの床にシンプルな木のテーブルやソファが並び、温もりを感じるスペースが広がっています。
何年か空き家状態になっていた親戚の家をオーナーの佐藤恵子さんが借り受け、カフェを開くために外装から内装までほぼすべてDIYでリノベーションしたのだそうです。
「特に資金もなかったので、家族や友人と一緒に手づくりでリフォームを始めました。廃材を使い、八百屋さんや魚屋さんから譲り受けた木箱を利用して板張りの床にしたり、棚やテーブルを作ったり。屋根のトタンや床のタイル張りも自分たちでやったんですよ」と佐藤さん。
周りの人たちの協力を得て、約半年かけて改修し、オープンした「葉っぱのきもち 森のカフェ」。カントリーハウス、ヨーロッパ調といったスタイルに縛られない自由なインテリアながら全体に不思議な統一感があり、オーナーのセンスが光る素敵な空間となっています。
佐藤さんがカフェを始めるきっかけとなったのが、森に面した窓からの眺め。「新緑のみずみずしい木々の緑や四季折々の素敵な景色をたくさんの人に見てもらいたい」という想いから、佐藤さんはカフェのオープンを決意したそうです。
一面の緑が広がるテラス席の大きなガラス窓は、スペースを広く使うために傾斜をつけてあり、森に包み込まれるような一体感を感じることができます。このテラス席で野鳥の姿を見つけ、さえずりに耳を傾けながら、ゆったりとくつろぐお客さまも多いようです。
店内奥のカウンターには料理やハーブティーで使うスパイスとともに、水草で編まれたモロッコ製のランプシェードやオーナー手づくりのドライフラワーなど、ナチュラルな装飾品が並びます。
また、中ほどの雑貨コーナーにはオーナーの目利きでセレクトしたキッチングッズや食器が置かれ、お客さまが購入できるようになっています。
フードメニューは、キッシュを中心に旬の素材を使ったヘルシーな惣菜盛りだくさんのワンプレートランチ(11:00-15:00)のみ。内容は季節ごとに変わりますが、今日はキッシュ、チキンのフリット、スパイスカレー、さつまいもとツナのサラダ、中華風春雨サラダ、グリーンサラダ(ヨーグルトドレッシング)といったラインアップでした。メインになるキッシュは3種類(定番の「ボロネーゼとじゃがいものキッシュ」、「きのことベーコンのキッシュ」と季節替わりのキッシュ)から選ぶことができます。
プレートの中で特に人気のスパイスカレーは、いろいろな野菜を煮込んで甘みと旨味を引き出した欧風カレー。オプションのご飯(雑穀米)と合わせると、しっかり食べ応えのあるプレートとなります。
ワンプレートランチはドリンク付き、ドリンク&ケーキ付きのセットにすることもできます。
今回選んだキッシュは「きのことベーコンのキッシュ」。しめじ、エリンギ、じゃがいものフィリングがたっぷりでベーコン、チーズとの相性も抜群。リッチな風味と旨味がありながら重すぎず、軽やかな一品でした。
店で毎日焼き上げるケーキ(3種類ほど)も絶品です。「マロンとくるみのケーキ」はシナモンが効いたパウンドに栗とくるみがたっぷり。添えられたシャインマスカット、リンゴ、いちじくとともに季節の恵みを存分に味わうことができます。
森からの柔らかな日差しが明るいテラス席で、オーナー自らハンドドリップで淹れるオリジナルブレンドのコーヒーとともにいただきましょう。ゆったりとした至福の時間がそこにあります。
一目惚れした窓からの森の眺めを、多くの人たちと共有したくて2017年にカフェをオープンした佐藤さん。今では、地域の常連のお客さまのみならず、SNSを見て遠方からいらっしゃる方も多いとか。「葉っぱのきもち 森のカフェ」という店名に込められたその想いは、お客さまにしっかりと届いているようです。
日向薬師など伊勢原の寺社めぐりの際に立ち寄り、風に揺れる葉っぱのささやきに耳を傾けてみてはいかがでしょう?
※掲載情報は取材日時点(2024年11月)のものです。
INFORMATION
葉っぱのきもち 森のカフェ
緑に囲まれた隠れ家のような一軒家でいただく、ヘルシーなワンプレートランチと手づくりケーキが人気のカフェ。森に面したテラス席で鳥のさえずりを聴きながらゆったりと過ごせます。オーナーがDIYでリノベーションしたインテリアや調度品も素敵です。
大山の稜線を望む日向の里でいただくヘルシーなパスタランチ「オリーヴの樹」
美しい大山の稜線を間近に望むことができる伊勢原市と厚木市の境、県道伊勢原津久井線沿いにあるのが「オリーヴの樹」です。2018年に伊勢原駅前からこの場所に移転し、リニューアルオープンしました。ヘルシーキッチンと謳う通り、健康を気遣うお客さまにも満足できる料理を提供されている人気のお店です。
トラットリア(大衆的なレストラン)をコンセプトに2000年から伊勢原駅前で営業してきた「オリーヴの樹」は、ランチ営業からディナータイムまでイタリア料理を提供するお店として支持されるお店でした。オーナーシェフである米山さんは、繁盛店ゆえに過労が重なり2016年に体調を崩して入院することに。約3か月もの間、休業を余儀なくされました。
入院先の病院食の味気無さに肩を落とすこともあったそうですが、提供された魚の切り身とサラダに入っていたトマトを見て、「一緒に料理したら美味しくなるだろうに」と想像したこともあったのだとか。何ともシェフらしいエピソードです。
休養中、体調の負担にならない営業スタイルへの移行を考えていた米山さん。自宅と病院の通り道沿いにあった現店舗の建物は、お見舞いに通う奥様が見つけたのだそう。療養を経て復帰した米山さんは、伊勢原駅前の旧店舗の営業を再開しますが、現店舗のオーナーとのご縁もつながり2017年に旧店舗を閉店。2018年1月に「ヘルシーキッチン」を掲げた「オリーヴの樹」の第二幕をスタートさせました。
開店から7年を迎えた現在、オリーヴの実を想起させる淡い緑色の外壁の建物と2頭の白いヤギが目印のお店として、しっかりとこの場所に定着。地元をはじめ都内や横浜などからも来店されるお客さまに、ヘルシーなイタリア料理を提供しています。
通常はランチのみの営業となっており、平日と週末を問わず、前菜、パン、スープ、パスタ、ドリンクからなる「パスタセット」がメインとなっています。定番の4種類のソースを用意し、パスタは、生のフィットチーネ(平打ち)の他、イタリア産のニョッキも提供しています。
地元伊勢原市にある養鶏場の新鮮な「地養卵」を使ったカルボナーラは、卵黄が主役。ソースはしっかりとコクがあり、伊勢原産豚肉で作った自家製パンチェッタのほどよい塩味と粗挽きの黒胡椒が味に深みを与えています。ヘルシーキッチンを掲げるとおり、塩分を加減しているそうですが、旨味も濃厚でパンチのある味わいに大満足の一皿です。
ブラックタイガーが殻ごと入った「有頭海老のクリームソース」もリピーターの多い定番メニュー。トマトと植物性生クリームのソースに、海老の旨味がたっぷり入ったリッチな風味が格別です。付け合わせのパンで、最後までソースを楽しまれるお客さまが多いというのも頷けます。
ランチコースに付くスープは「ミラノ風かき卵のスープ(ストラッチャテッラ)」。パルメザンチーズをまぶしたかき卵がチキンベースのスープのよいアクセントになっています。セット全体で、食べ応えも充分。バランスの取れた食事を楽しむことができます。
デザートも日替わりで提供されています(パスタセットには含まれていません)。この日はトマトのシフォンケーキと季節の果物。エディブルフラワー (食用花)が盛り付けられ、見た目も華やか。オリーブオイルを使って焼きあげたという、ふわふわのシフォンケーキは、添えられたヨーグルト入りの生クリームとの相性も抜群です。
できる限り自分たちの手で、DIYで整えたという内装はアットホームな雰囲気で、ゆったりと食事と会話を楽しむことができる空間が広がっています。Jリーグに昇格する以前からサポーターという湘南ベルマーレのユニフォームなども展示されています。
体調を崩したことをきっかけに材料や調理法を見直し、店舗を移転して丸7年が経過しました。少しペースダウンをしながらも、ぐっと自然が近くなったこの場所で、米山さんは素材と料理に向き合い続けています。営業を終えると、ヤギを餌場に連れだし、深呼吸するようなひと時も。さながら本場イタリアのスローフードのお店を体現しているかのようなライフスタイルです。
「日向薬師参拝やハイキング帰りに寄られるお客さまも多いですよ」と、米山さん。実は、「日向薬師」(バス停)からも徒歩約30分と徒歩圏内。大山詣りの通り道の一つでもあった店舗周辺には、目印となる石標なども多く残っています。
営業は毎日11:30から15:00までとランチがメインとなっていますが、事前予約で夜の営業にも対応してくださるとのこと。また夜はご予算に応じたコース料理も提供しているそうです。
大山を望む居心地のよいお店でいただくヘルシーなイタリア料理。大山や日向にお出かけの際には、「オリーヴの樹」でゆっくりとランチをお楽しみください。
※掲載情報は取材日時点(2024年11月)のものです。
INFORMATION
ヘルシーキッチン&カフェ オリーヴの樹
地元の材料を使い、健康に配慮したイタリア料理を提供するカフェレストラン。平日・週末問わずパスタセットのランチを提供しています。伊勢原市内にある養鶏場の「地養卵」を使った「カルボナーラ」やブラックタイガーがたっぷり入った「有頭海老のクリームソース」が人気です。