神奈川の紫陽花スポット10選|名所、穴場スポットや見頃を徹底紹介

梅雨の時季に彩りを添える紫陽花。神奈川県には、鎌倉の名所から横浜・箱根エリアの絶景スポット、丹沢・大山エリアの穴場まで、紫陽花を満喫できる場所が点在しています。

本記事では、神奈川県にある紫陽花の定番の名所から静かに楽しめる穴場まで、見頃や特徴とともに厳選してご紹介します。


神奈川にある紫陽花の名所

まずは鎌倉や横浜、箱根エリアにある紫陽花スポットの名所をご案内します。それぞれ日本を代表する観光地なので、県外からのアクセスも良好です。「紫陽花が有名な場所に行ってみたい!」という方にはおすすめのスポットになります。

1.明月院(鎌倉)

鎌倉の「紫陽花寺」として知られている『明月院』。境内には鎌倉最大のやぐらといわれる「明月院やぐら」があり、壁面には釈迦如来や多宝如来と思われる像が浮き彫りされています。

数千本の「姫アジサイ」が境内を埋め尽くし、その景観から「明月院ブルー」と呼ばれ親しまれています。SNSで話題になったので、写真を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

紫陽花の見頃は例年だと6月の第2週頃からで、ピークとなるのは6月中旬から下旬です。ピーク時以降は濃く鮮やかな青色の紫陽花を観賞できます。

なお開門してすぐの時間帯は混雑を避けられるので、人が写り込まない写真を撮りたい方は朝一番での訪問がおすすめです。

INFORMATION

明月院
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189
アクセス:JR横須賀線「北鎌倉駅」から徒歩約10分
駐車場:なし(近隣のコインパーキングも混み合うため、電車でのアクセスを推奨)
拝観時間:9:00開門~16:00閉門(6月のみ8:30開門~16:30受付終了、17:00閉門)
拝観料:大人500円、小中学生300円

2.あじさい電車(箱根)

紫陽花の時季の箱根登山電車は『あじさい電車』の愛称で親しまれており、沿線に咲く紫陽花を車内から楽しむことができます。1時間に4本(夜間は2~3本)運行されているので気軽に乗車できる点が魅力です。

6月中旬頃から開花の時季を迎え、7月中旬頃まで楽しむことができます。「標高差で紫陽花の見頃も変わるため、観賞期間が長い」という他の場所ではあまり見られない特徴があります。

また、座席指定列車「夜のあじさい号(要予約)」ではライトアップポイントで徐行や停止も行われるので、美しい紫陽花のブレない写真を撮れるのも嬉しいポイントですね。途中駅では電車から降りて記念撮影を楽しめる時間も設定されています。なお、夜間のライトアップ期間は例年6月中旬から下旬頃です。

『あじさい電車』の終点である強羅駅から箱根登山ケーブルカーに乗車し早雲山駅で箱根ロープウェイに乗り換えるなど、さまざまな乗り物を駆使して箱根ならではのダイナミックな自然を満喫するのはいかがでしょうか。

INFORMATION

あじさい電車
運行形態:箱根登山電車「箱根湯本駅」から「強羅駅」まで約40分。昼間は1時間に4本、夜間は1時間に2~3本。
駐車場:箱根湯本駅から徒歩5分程度の場所にコインパーキング多数

※2025年の開催については未定です(4月17日時点)
開催詳細は右記リンクより「箱根ナビ」にてご確認ください。

3.横浜・八景島シーパラダイス(横浜)

水族館を中心とする複合型レジャー施設の『横浜・八景島シーパラダイス』では、紫陽花の見頃となる毎年6月に「八景島あじさい祭」が開催されているのはご存知でしょうか。

このイベントでは「セイヨウアジサイ」や「ガクアジサイ」、八景島のオリジナル紫陽花「八景ブルー」など、約2万株の紫陽花を楽しむことができます。

中でもスタンプラリーをしながら島内の紫陽花見どころスポットを巡る「あじさい八景めぐり」が人気です。

また、『横浜・八景島シーパラダイス』自体が水族館、遊園地、ショッピングゾーン、ホテルが一体となった大型レジャー施設のため、紫陽花の観賞にとどまらず島内で1日楽しく過ごすことができるのも大きな魅力ですね。

INFORMATION

横浜・八景島シーパラダイス
住所:神奈川県横浜市金沢区八景島
アクセス:横浜シーサイドライン「八景島駅」下車
駐車場:シーパラダイスパーキング(有料)
営業時間:8:30開島~21:30閉島 ※季節により異なる(公式サイトを参照)
料金:入島無料 ※水族館やアトラクション利用時はチケットの購入が必要です


神奈川にある穴場の紫陽花スポット

続いては、まだ多くの人に知られていない穴場スポットのご紹介です。皆様は丹沢・大山エリアに行かれたことはありますか?

神奈川県の丹沢・大山エリアは新宿から約1時間ほどでアクセス可能な、豊かな自然と歴史が融合する観光地です。このエリアに点在する紫陽花スポットは都会と比べて混雑が少なく、ゆったりと紫陽花を楽しめます。

今年の梅雨は人混みを避けて、紫陽花の観賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。

【秦野エリア】

4.鶴巻あじさい散歩道

『鶴巻あじさい散歩道』は、神奈川県秦野市鶴巻地区にある大根川と善波川沿い約2.7kmの遊歩道です。春は桜、初夏は紫陽花、秋は酔芙蓉(すいふよう)など、四季折々の花を楽しむことができます。

1991年の台風被害をきっかけに、土手の保全と美化を目的として1995年に紫陽花160株を植栽しました。地元自治会長らが「花を植えればきれいな状態を保てるのでは」と考えたのが始まりとのこと。

その後も寄付やボランティア活動により紫陽花が増え続け、現在は地域住民で結成したボランティア団体によって毎月草刈りなどの美化活動を行っているほど、意欲的に活動が行われているようです。この背景を知って『鶴巻あじさい散歩道』を散策すれば、紫陽花の美しさはもちろん人の温かさも感じられるのではないでしょうか。

『鶴巻あじさい散歩道』の大きな魅力は、田園風景の中でゆったりと紫陽花観賞や散策を楽しめること。紫陽花の見頃は6月上旬から中旬頃で、毎年6月下旬の日曜日には「つるまきあじさい遊歩道まつり」が開催され、模擬店なども出店されます。

紫陽花を観賞した後は、最寄り駅の小田急「鶴巻温泉駅」から徒歩5分の日帰り温泉『弘法の里湯』で散策の疲れを癒やす楽しみがあっても良いですね。

INFORMATION

鶴巻あじさい散歩道
住所:神奈川県秦野市鶴巻
アクセス:小田急線「鶴巻温泉駅 南口」より徒歩20分
駐車場:なし

5.弘法山公園

『弘法山公園』は秦野市にある浅間山、権現山、弘法山の3つの山一帯を指し、桜の名所としても有名です。エリア内では四季折々の美しさを楽しむことができるほか、トイレや休憩スペースも整備されているため、安心して散策することができます。

『弘法山公園』での紫陽花の見頃は、6月中旬から下旬頃です。弘法山から権現山まで続く「馬場道」と呼ばれる山道沿いには、約1,000本もの紫陽花が植えられています。どこまでも続いていく紫陽花の道は圧巻で、訪れる人を魅了します。

また、権現山山頂にある展望台付近も写真映え抜群の紫陽花スポットで、展望台へ向かう道沿いからたくさんの紫陽花が出迎えてくれるでしょう。展望台付近からは富士山が一望できるため、紫陽花以外の景観も楽しめます。

浅間山、権現山、弘法山の3つの山で一番高いのは権現山で標高243mですが、低山のため多くの方が気軽に訪れています。多世代に渡ってちょっとした登山気分を味わうことができるので、ご家族揃って紫陽花の観賞を楽しむことができるでしょう。

不定期でキッチンカーが出店しているので、休憩がてら飲食を楽しむことも可能です。家にこもってしまいがちな梅雨の時季ですが、運動不足の解消に紫陽花を見ながらハイキングに出かけてみてはいかがでしょうか。

INFORMATION

弘法山公園
住所:神奈川県秦野市曽屋5890
アクセス:小田急線「秦野駅北口」から徒歩約50分(権現山・千畳敷付近)
「秦野駅北口」から「曽屋弘法行」バスで約10分 「弘法山入口」下車後、徒歩約20分(丹沢・大山フリーパス指定区間外)
駐車場:3か所(無料)

6.県立秦野戸川公園

『県立秦野戸川公園』は、丹沢の山々から流れる水無川の自然を生かした都市公園です。丹沢登山口として知られており、多くの登山客やキャンパーでにぎわっています。

園内にある長さ267m、高さ35mの「風の吊り橋」が公園のランドマークです。華やかで柔らかく咲き誇る紫陽花と、堅牢に構える「風の吊り橋」のコントラストは思わず息をのむ美しさ。この2つを一緒にカメラに収められる絶景スポットを探してみるのもおすすめです。

なお、紫陽花の見頃は6月中旬から7月中旬で、園内には10種類以上・約5,000株の紫陽花が植栽されています。「紫陽花にはこんなに種類があったのか!」という新しい発見を楽しむことができそうですね。園内を流れる水無川の右岸、パークセンター近くの斜面に紫陽花が多く見られます。斜面を彩る絶景をぜひその目で確かめてみてください。

また、園内には手ぶら利用も可能なバーベキュー場、子どもから大人まで楽しめる川遊びゾーン、日本庭園を愛でられるお茶室、自然観察の森、多目的グラウンドなどの豊富な施設があります。1人での散策はもちろん、デートや家族連れでも1日中楽しめるスポットです。

INFORMATION

県立秦野戸川公園
住所:神奈川県秦野市堀山下1513
アクセス:小田急線「渋沢駅北口」から「大倉行」バスで約15分 「大倉」下車後、徒歩約2分
駐車場:3か所(無料)

7.蔵林寺

『蔵林寺』は室町時代に創建され、江戸時代にはこの地を治める米倉丹後守(5代将軍綱吉の篤い信頼を受けた大名)の菩提寺となり、米倉一族の霊が眠る歴史ある寺院です。

また、知る人ぞ知る紫陽花の名所で、まさに「穴場スポット」と呼ぶべき場所でしょう。「他の人とは違う場所に行ってみたい」「人が少ない場所をのんびりと散策したい」という方におすすめできます。

そんな『蔵林寺』での、紫陽花の見頃は6月中旬から7月上旬です。100mほど続く参道沿いと公道沿いに紫陽花が咲き連なり、静謐な参道にカラフルに咲いている景観に風情を感じること間違いありません。

紫陽花は上下2段に植栽されており、上段側に設置されたベンチでは、紫陽花ごしに秦野盆地の街並みを望みながらゆったりと過ごすこともできます。喧騒を離れて、のどかな休日を過ごしたくなったらぜひ訪れてみてください。
また、先ほど紹介した『県立秦野戸川公園』から徒歩10分程度の場所にあるため、あわせて訪れることも可能です。登山客や家族連れなどでにぎわう『県立秦野戸川公園』と、静かに時が流れる『蔵林寺』でそれぞれ異なる趣の紫陽花を楽しむことができるでしょう。

INFORMATION

蔵林寺
住所:神奈川県秦野市堀山下1153
アクセス:小田急線「渋沢駅北口」から「大倉行」バスで約12分 「蔵林寺」下車後、徒歩すぐ
駐車場:あり(無料)


【伊勢原エリア】

8.日向地区の日陰道

『日陰道』は日向薬師の参道で、鎌倉時代に北条政子が参拝の際に通ったとされています。

ここに咲く紫陽花は、地元の方々が20年以上かけて植栽しました。約300株の色とりどりの紫陽花が群生しており、見頃は毎年6月頃です。また『日陰道』だけでなく、日向薬師に向かう道沿いでも青や白、紫色の花を楽しめますよ。まだあまり知られていない静かな古道で鎌倉時代に思いを馳せながら散策してみませんか。

なお『日陰道』の紫陽花の時季は、ヤマビルの被害が多いので注意が必要です。ヤマビルに噛まれると出血がタラタラと止まらなくなってしまいます。

予防のためには、長めの靴下をはく、塩・虫よけスプレーの持参などが有効です。伊勢原駅の改札口からバス乗り場へ向かう階段の途中にあるクルリンハウス(駅観光案内所)ではヤマビルファイター(忌避剤)を販売しているので、そちらを活用することも検討しましょう。

INFORMATION

日向地区の日陰道
住所:神奈川県伊勢原市日向
アクセス:小田急線「伊勢原駅北口」から「日向薬師行」バスで約20分 「高橋」下車後、徒歩すぐ
駐車場:日向薬師駐車場(無料、2か所)


【厚木エリア】

9.県立七沢森林公園

全体は横浜スタジアムの約24倍、64.6ヘクタールの広さを誇る『県立七沢森林公園』。公園の北側「さくらの園」付近の「アジサイ階段」や「あやめ池」及び「もりの道」が紫陽花スポットです。自然樹林の中に散策路が整備されていて、健康づくりのウォーキングやハイキングにも適しています。

公園の紫陽花の見頃は、6月頃です。山の斜面の階段に沿って紫陽花が植えられているので、階段の下から見上げるように観賞できますよ。

沢の音を聞きながら散策できる谷沿いの通り道「沢のさんぽ道」や、木々を通り抜ける風が心地よい「尾根のさんぽ道」など、大自然のエネルギーが感じられるスポットもあり、森林浴と紫陽花観賞を同時に楽しみたい方におすすめです。

また、園内で利用できるバーベキュー場(有料・要予約)は、広大な公園を散策してお腹が空いたときにピッタリ。食材の持ち込みも可能ですが、食材を含む道具すべてを用意してもらうこともできるので、手ぶらで気軽にバーベキューを楽しめるでしょう。

さらに、車で5分ほどの場所に『東丹沢七沢温泉郷』もあるため、宿泊や日帰り温泉で疲れを癒すのもおすすめです。午前は紫陽花を見ながら散策して、午後はバーベキューを楽しみ、帰りは温泉に入るという充実した休日を過ごしてみませんか。

INFORMATION

県立七沢森林公園
住所:神奈川県厚木市七沢901-1
アクセス:小田急線「本厚木駅東口 厚木バスセンター」から「七沢行」または「広沢寺温泉行」バスで約25分 「七沢温泉入口」下車後、徒歩約10分        
小田急線「伊勢原駅北口」から「七沢行」バスで約25分 「七沢温泉入口」下車後、徒歩約10分
駐車場:北口駐車場(通年無料) 第2駐車場、中央口駐車場(利用時間8:30~18:00、4・5・10・11月の土日祝は有料)

10.飯山観音 長谷寺

「かながわの景勝50選」「かながわの花の名所100選」に選ばれている『飯山観音 長谷寺』。春には白山全体で2,000本の桜が咲き乱れ、「あつぎ飯山桜まつり」では多くの花見客でにぎわいます。令和7年に開山1300年を迎え、観音堂に安置されている「十一面観世音菩薩」の特別御開帳が行われるようです。

春の桜が特に有名な『飯山観音 長谷寺』ですが、実は梅雨の時季には紫陽花の穴場スポットになっていることはご存知でしょうか。

見頃は6月頃で、本堂に向かう道沿いと境内にズラリと植えられています。令和2年に改修を終えた仁王門と紫陽花のツーショットは、まさに「美しい日本の景色」です。晴れた日には相模平野が一望できる眺望と、美しい紫陽花の両方を楽しめるでしょう。

また、樹齢約400年のイヌマキの木は「かながわの名木100選」や「厚木市天然記念物」に指定されています。多くの巡礼者の無事や参拝者の長寿を祈願して植樹されたと伝えられている古木からパワーを分けてもらうのも良いですね。

『飯山観音 長谷寺』は、家内安全や厄除けなどのほか、縁結びの御利益があるお寺です。紫陽花の観賞を楽しんだ後はお守りやおみくじ、御朱印を授かることもできます。

INFORMATION

飯山観音 長谷寺
住所:神奈川県厚木市飯山5605
アクセス:「本厚木駅北口」から「上飯山行」、「宮ケ瀬行」または「上煤ケ谷行」バスで約25分 「飯山観音前」下車後、徒歩約10分
駐車場:あり(500円)

【まとめ】神奈川の紫陽花スポットを巡ってみよう!

神奈川には、紫陽花を楽しめる名所が数多くあります。見頃は6月中旬から下旬が中心ですが、スポットごとに時季の差が見られるので、事前に見頃をチェックしておくと良いでしょう。混雑を避けたい場合は、早朝や平日の訪問がおすすめです。

今年の梅雨は、美しい紫陽花とともに風情ある神奈川の景色を満喫してみてはいかがでしょうか。