伊勢原で味わうスパイス香るランチが評判のお店

伊勢原市には、地域に密着した個性豊かなお店が点在し、最近はそれらのお店の味を求めて伊勢原市を訪れる方が増えています。今回は、スパイスやハーブが効いた料理が評判のお店をご紹介します。若きシェフが作る欧風カレーの専門店「カリービストロLAMP」と、タイご出身の姉妹が腕を振るう「THAI PINTO(タイ ピント)」です。どちらも地元だけでなく遠方から通うお客さまも多い人気店です。スパイスとハーブが織りなす料理を味わいに、ぜひお出かけください。


手間を惜しまないフォン(だし)が命。フレンチ仕込みの欧風カレーの専門店「カリービストロLAMP」

行列ができるほど人気のお店が増え、その味を求めて伊勢原市を訪れる人が増えている――。その目的地の一つとして話題なのが、伊勢原駅南口から徒歩4分ほどで到着する「カリービストロLAMP」です。

夜空を思わせるナイトブルーの外壁と、両端が跳ねている庇(ひさし)の意匠がアジアンテイストを醸し出す、特徴的な外観です。上部が丸くなった木製ドアは高さ約150cmと、まるで絵本の世界観。少しかがんで入店するところから、ワクワクな食体験がスタートします。

2025年7月のオープン直後から評判を呼び、ランチ営業では売切れとなる日も少なくありません。ランチタイムの予約は受け付けていないため、早い時間帯の訪問がおすすめです。

店内は、外壁同様にネイビーとチャコールグレイを混ぜたような色合いの壁で統一されています。天井や卓上には、色とりどりの鮮やかなモザイクランプが配置され、柔らかな灯を放ち、ダイアル式の壁掛け電話器や縦横無尽に打ち付けられた板が、壁の一部をふさぐなど、物語の世界に出てくるような空間が、好奇心をくすぐります。
左手には、厨房がよく見えるカウンター席があり、右手には、テーブル席があります。

注文方法は、スマホから直接注文を入れるモバイルオーダー方式です。ランチのメニューは、「ビーフランプカレー」「チキンランプカレー」「ランプカレー」の3種類、欧風カレーのみという潔さに驚きます。

今回は、お店の看板メニューでもある「ビーフランプカレー(写真上)」と、「ランプカレー」にエビフライをトッピングしてオーダーしました。

グツグツと熱したルーが、カレーポットに注がれて、トレイで提供されます。お皿にたっぷりのごはんが盛られ、サラダが付いてきます。配膳時にスタッフの方から、丁寧にメニューや食べ方の説明が添えられます。

「ビーフランプカレー」は、ライスの上に、大きな塊肉が鎮座し、インパクトがあります。おすすめの食べ方、まずはルーを3分の1程度かけて、いただきます。お肉は驚くほどに柔らかく簡単にほぐれます。ルーは、辛さはさほど感じませんが、香りとコクがあって濃厚です。黄色のオニオンピクルスや、付け合わせのサラダを挟みながら、ゆっくりと味わいましょう。

お店を切り盛りするのは、若き店主 髙橋さんです。フレンチからキャリアをスタートし、料理修業で渡仏経験もお持ちで、帰国後は関東各地で数々の飲食店の立ち上げや運営に携わり、現場経験を積み重ねてきました。10年超、料理の世界で研鑽を積み、満を持して、伊勢原でご自身のお店をオープンし現在に至ります。謙遜しながらも手ごたえを感じていることが、店頭での振る舞いと料理から伝わってきます。

お店の代表メニュー、カレールーづくりには余念がありません。大きな寸胴鍋で、大量の玉ねぎを炒め煮し、さらに香味野菜と焼いた鶏ガラを加え8時間ほどじっくり煮込みます。さらに丸1日寝かせてから、丁寧にパッセ(濾す)し、上質なフォン(だし)に仕上げます。そこに、クミンやコリアンダー、スターアニスなど12種類のスパイスやハーブ、そして具材でもある牛肉を投入。油脂や小麦粉を最小限に抑え、素材から旨味をたっぷり引き出した欧風カレーが完成します。

本場フランスでも、時短のためにフォンを市販品で代用することが増えている昨今において、フレンチの伝統的な手法で、丁寧にフォンから手作りしていることが、LAMPの奥深いカレーの味を作り出しているようです。「欧風」と冠した味わいが、しっかりと伝わってきます。

エビフライをトッピングした「ランプカレー」は、エビフライの大きさに驚きます!熱々のフライは、プリっとした食感も格別で、濃厚なカレールーがよく合います。こちらもカレールーは別添えで提供されますので、お好みの量のルーを注ぎながらいただきましょう。なお、エビフライの他に、ポークカツとチーズのトッピングメニューも用意されています。トッピングの組み合わせも、試してみたくなりますね。

「ビーフランプカレー」でライスの上にのっていた牛肉は、なんと国産というから驚きます。ゴロっとした塊肉は、ほろほろと柔らかな食感ながらも、ポーションも大きめで食べ応えも充分。これほど厳選した材料を使用していることを考えると、価格は手ごろ感があり、足繁く通うお客さまが多いというのも頷けます。材料を吟味し、惜しみなく使うことも、目の前のお客さまを大切にしたいという髙橋シェフの姿勢の表れと言えそうです。

週末には、お子さま連れのご来店が多いこともLAMPの特徴の一つです。お子さまから大人までが楽しめるように、「辛さではなく、香りやコクで満足できるカレーを作っています」と、髙橋シェフは胸を張ります。お店を開業するに至った経緯に、幼少期に、ご家族で食べたカレー専門店の味、思い出が原点にあるのだとか。ご家族や友人と、美味しいカレーを食べてもらいたいという気持ちが、LAMPの味や世界観に表れているんですね。

ランチは、カレー類とドリンクのみ。「カリービストロ」と店名にあるとおり、金・土曜の夜限定で、洋食系のメニューを揃えたビストロとして営業しています。前菜からメインまでお酒にあうメニューが充実していますが、〆の一品として人気なのは、夜限定の「カレードリア」とのこと。ラム酒が香る手作りの「プリン(写真左)」などもあり、大人向けのデザートまで幅広いメニューを楽しむことができます。

ランチでカレーをいただいてから伊勢原散策を楽しむのもよし、金・土曜なら、夕方まで登山やハイキングを楽しんだ後に、ビストロ料理を楽しむのもよし。物語の世界に迷い込んだかのようなLAMPで、シェフ渾身の欧風カレーを味わえば、心に優しいランプが灯されるような嬉しさがこみ上げてくること間違いありません。


自家栽培の野菜と本場のスパイスでつくるタイ家庭料理が評判のお店「THAI PINTO(タイ ピント)」

伊勢原駅南口から歩いて15分ほど。沼目交差点近くにある「THAI PINTO(タイ ピント)」は、タイ出身のオーナーが腕を振るう、本場の家庭料理が評判のお店です。自家栽培の新鮮な野菜やハーブをふんだんに使い、スパイスのバランスも本格的。専門店ならではの豊富な品揃えで、地元のお客さまを中心に広く支持されています。
県道44号伊勢原藤沢線、バス通りに面した3階建てマンションの1階にあり、タイ国旗とともに大きく店名が書かれた看板が目印です。

明るいオフホワイトの壁にシーリングファンが回る店内はアジアンテイストたっぷりです。
入口からもよく見える中央の厨房では、タイ南部ご出身のオーナー姉妹、ティムさんとサワラクさんが忙しく調理をする様子がうかがえます。

レジカウンターの横には、季節の花とお客さまを歓迎する伝統的な木彫り人形「サワディー人形」が飾られています。また、信心深い仏教徒が多いタイならではの、仏手のオブジェや仏顔のアートパネル、さらには、ペーパーアートや陶器の工芸品が並び、異国情緒たっぷりにお客さまを出迎えてくれます。

オーナーのティムさんが子どもの頃から食べていたという料理が、タイ南部発祥の「サラダまぜごはん」です。タイ語で「カオヤム」(カオ=米、ヤム=混ぜる)という名の通り、ジャスミンライスにハーブやたくさんの生野菜を混ぜ合わせて食べる、ヘルシーなライスサラダです。
具材は12種類。ゆで卵、じゃこ、干しエビ、ココナッツの実、いんげん、黄パプリカ、バイマックルー(こぶみかんの葉)、レモングラス、赤パプリカ、青マンゴー、紫蘇、きゅうりがライスの周りを美しく彩ります。

食べる際には、まず、甘辛い魚醤のタレ「ナムブードゥー」をライスにかけ、そのあと、細かく刻まれた具材をよく混ぜ合わせて準備完了。
「野菜とハーブ、そして魚介の乾物…一体どんな味になるのかな?」
ワクワクしながら、スプーンを口に運ぶと、野菜のシャキシャキ感、ハーブの爽快な香り、乾物の旨み、そして青マンゴーの酸味が、コクのあるタレによって渾然一体となり、素敵なハーモニーを奏でます。お好みで、添えられた唐辛子を加えれば、さらに刺激的なアクセントが加わります。

毎朝、大鍋で仕込むという具沢山の野菜スープも絶品です。鶏ガラと野菜で出汁をとった優しいお味で、身体に沁みる味わいです。このスープは、すべての料理のベースにもなっているそうです。具材は日替わりで、この日は豆腐、人参、大根、きくらげ、玉ねぎ、長ねぎでした。

野菜やハーブは、ティムさんが近くの市民農園で育てた自家栽培のものを主に使っているそうです。みずみずしいレタスやトマトなどの野菜はもちろん、タイ料理に欠かせないパクチー、ミント、レモングラスなどのハーブ類も伊勢原の畑で自ら育てています。
体力と根気のいる畑仕事ですが、時には、趣味で野菜づくりをされているお客さまが「助っ人」で駆けつけてくれることもあるとか。また、たくさん収穫できた時には、お店で無料配布もしているそうです。そんなエピソードからも、ティムさんが地域の方々にとても愛されていることが伝わってきます。

タイ料理と言えば、というほどの定番メニューで人気の「カオマンガイ」は、鶏の旨味が凝縮された一皿です。鶏油で炒めたお米を鶏のスープで炊き上げたご飯、そして、しっとりと柔らかい茹で鶏。生姜、にんにく、大豆ペースト、ココナッツシュガー、ナンプラーを合わせた甘辛く濃厚な自家製タレが、ジューシーな鶏肉の美味しさを一層引き立て、絶品です。カオヤムと同様、野菜スープが付いてきます。

食器は、すべてタイの三大陶器のひとつ「ブルー&ホワイト」で揃えられており、白地にパイナップルの皮の模様をモチーフにしたデザインが料理を上品に演出しています。

「生春巻き」は、もっちりとしたライスペーパーの中に、これでもかというほど具材がぎっしり。 ぷりぷりの茹でエビをメインに、クリーミーなアボカドと、サニーレタス、キャベツ、紫キャベツ、人参といったシャキシャキの新鮮野菜が彩り豊かに詰まっています。
つけダレは一般的なスイートチリソースではなく、独自のレシピで作る自家製ソースです。ナンプラー、ココナッツシュガー、お酢、にんにく、唐辛子をよく混ぜ、ピーラーでスライスした大根と人参を漬け込んだ和食の「なます」を思わせるさっぱりとした味わいで、春巻きと一緒に食べるといろんな味と食感を一度に味わうことができます。

甘辛い味付けが多いタイ料理には、スッキリとしてライトなのど越しのタイ製ビール(シンハー、チャーン)やワインクーラーがよく合います。もちろん、ソフトドリンクもコーヒー、紅茶のほか、南の国ならではの、グアバ、ココナッツなどのフルーツジュースが揃っています。

「微笑みの国、タイにようこそ!」そんな声が聞こえてきそうな笑顔で迎えてくれる、タイの南部ご出身のティムさん(左)、サワラクさん(右)姉妹。日本の文化や自然に惹かれ、1984年に初来日したティムさんは、語学学校や放送大学で日本語を修得後、通訳やツアーガイドとして活躍されていました。

転機が訪れたのは、東京から伊勢原へ移住した頃のこと。当時、東海大学に留学していた姪御さんの「タイ料理店をやってみたい」という一言がきっかけでした。ティムさんはその夢を叶えるべく奔走しますが、その後、姪御さんはカナダへ留学することに。結局、ティムさんが日本に語学留学中だった妹のサワラクさんを誘い、自らお店を切り盛りすることになります。

こうして2018年4月、「THAI PINTO」がオープンしました。 店名はタイ語で「タイのお弁当箱」。その名の通り、家庭的でヘルシーな料理をイートインでもテイクアウトでも気軽に楽しめると、瞬く間に評判のお店となりました。
昔から料理好きで、よくホームパーティーを開いていたというティムさんがメイン調理を、サワラクさんがサラダを担当。息の合ったコンビネーションでお店を支えています。

生まれ故郷がタイ南部の海沿いにあるソンクラー県なので、山への憧れが強いというティムさん。ハイキングや山登りが趣味で、休日に時間があれば、山へ出かけているそうです。近くの大山はもちろん、北アルプスや富士山にも何度も登っているとか。このアクティブさがお店の活気と笑顔の源になっているのかもしれませんね。

オーナー姉妹の柔和な笑顔と細やかな心遣いが、多くのファンを惹きつけてやまないTHAI PINTO。他では味わえない、本格的なタイの家庭料理の味に出会いに、足を運んでみてはいかがでしょう。

※掲載情報は取材日時点(2026年4月)のものです。


記事のスポット情報

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カリービストロLAMP

伊勢原駅南口から徒歩5分の「カリービストロLAMP」は、絵本の世界への入口のような木製ドアが目印のお店です。名物は、フレンチ出身のシェフが伝統的な手法で丁寧にとったフォン(だし)をベースに仕上げるルーが自慢の欧風カレーです。辛さ控えめで、香り高く奥深いコクが特徴の味わいは、子どもから大人まで人気です。ランチはこだわりのカレー3種を提供し、金・土曜の夜限定で、お酒にも合う洋食メニューが味わえるビストロとして営業しています。昼夜問わず、心に明かりが灯るような美味しい食体験が待っています。

INFORMATION

THAI PINTO(タイ ピント)

タイ出身のオーナー姉妹が営むタイ家庭料理のお店で、オーナー自ら育てた野菜と本場のスパイスを使ったヘルシーな料理が人気です。看板メニューの「サラダまぜごはん」の他、カオマンガイ、各種タイカレー、パッタイ、生春巻き他、ラインアップも充実。ほとんどの料理がテイクアウト可能です。