地元素材を味わう 伊勢原で評判の本格イタリアンのお店

神奈川県伊勢原市にある本格イタリア料理を楽しむことができる「ラ・パチャーダ」と「リストランテ・ピッツェリア アルベロベッロ」をご紹介します。どちらも地元の新鮮な食材を使用したメニューが支持される地域の人気店です。大山や日向薬師への参拝、ハイキングなど伊勢原へお出かけの際には、ぜひお立ち寄りください。

自家農園の朝採れ野菜と地場産の肉と魚を味わうイタリア料理店「ラ・パチャーダ」

伊勢原駅北口から徒歩3分。オリーブの木の鉢植えが並ぶ南欧風の外観がお洒落な「ラ・パチャーダ」は地元で人気のイタリア料理店。本場のイタリア郷土料理をベースに、自家農園の朝採れ野菜や相模湾の新鮮な魚介、神奈川県産の銘柄肉など地元の食材を使った料理が評判のお店です。

店内はオープンキッチンに面したカウンター席が4つ、テーブル席は二人掛けが3つと四人掛けが１つ。こぢんまりとしたスペースには友人の家に招待されたような温かい空気が流れています。

ランチメニューは４つのコース料理があり、この日は前菜7種盛り合わせ、パスタ、メイン（魚か肉）、ドルチェの４品で構成されるLapaciada（ラパチャーダ）コースを選びました。

ガラス皿に盛り付けられた「前菜7種盛り合わせ」は、自家農園の朝採れ野菜を中心に旬の食材が美しく並び、これだけでもワインが進んでしまいそう。

パスタは日替わり3種類から選ぶことができます。断面がS字型のカサレッチェというショートパスタを使った「ベーコンと季節野菜のトマトクリーム」は、菜の花とベーコンに濃厚なトマトクリームがしっかりと絡んだリッチな風味でした。

メインで選んだ「本日の鮮魚のソテー」は相模湾で獲れた新鮮なスズキ。皮目はカリッ、身はふっくらとソテーされており、魚介の出汁をベースにしたサフラン風味のソースには自家農園の黒キャベツ、蕪、大根、人参など、季節野菜がたっぷりの一皿です。

コースを締めくくるドルチェは冷たいクレームブリュレ「季節のクレーマカタラーナ」。香ばしい焦げ目のカラメルをのせたカスタードはひんやりとクリーミーで、添えられた季節のフルーツの酸味によく合う爽やかな一品でした。

ワインはイタリアの自然派ワインを中心にラインアップ。グラス、ボトルごとの注文の他、グラス3杯のセットやそれぞれの料理に合わせて楽しめるペアリングが用意されています。また、グラッパなどの食後酒も充実しています。

ラ・パチャーダの料理で使われる野菜の8割ほどは、その日の朝に自家農園で収穫したもの。お店から車で約20分のところにある、原シェフのご両親が耕す畑で種から育てた野菜です。また、農薬や化学肥料を使わない自然栽培で「露地野菜」を育てている小田原の久保寺農園さんからも定期的に野菜を仕入れているそうです。

オーナーシェフの原博之さんは平塚市出身。調理師学校を卒業後、ワーキングホリデーで美食の街、シドニーへ。イタリア料理店で1年間修業し、帰国後、東京のイタリア料理店に４年間勤務。2010年には本場の味を求めてイタリアへ。北部と南部のレストランで3年間腕を磨き、各地の多彩な伝統料理を学び日本に帰国しました。

2013年には「あなたのお家がイタリアンレストランに」をコンセプトにした出張レストランをスタート。食材はもちろん、調理器具、お皿、カトラリー、テーブルクロスまで持参して調理する、ユニークな料理人として話題になります。そして、2016年、現在の場所に念願の実店舗をオープン。季節の恵みに溢れた本格的なイタリアンをカジュアルに味わえる店として、人気店となりました。

店名の「ラ・パチャーダ」はミラノの方言で「食いしん坊」のこと。原シェフが働いていたミラノ郊外のレストランの“マンマ”から「日本でお店をやる時は使ってね」と教わったものだそうです。また、店頭の看板は、申年生まれで風貌も猿に似ている（本人談）原シェフが出張料理に出かける時の姿を象っているそうです。

地元神奈川の食材を使い、北はミラノやピエモンテ、南はシチリアなど各地の伝統料理をベースに洗練されたイタリア料理を展開するラ・パチャーダ。大山へのハイキングの後など、伊勢原においでの際には、地元の「食いしん坊」のお客様で賑わうお店にぜひお立ち寄りください。コース料理がメインで、席数も限られていますので、事前予約がおすすめです。

※掲載情報は取材日時点（2024年3月）のものです。

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本格窯焼きピザを目当てにグルメな地元民が通う「リストランテ・ピッツェリア アルベロベッロ」

伊勢原駅から日向薬師へ向かうバス通り沿い、ワインボトルで作られた大きなツリーが目を引くのが「リストランテ・ピッツェリア アルベロベッロ」です。雑貨店や洋菓子、ジェラートのお店が軒を連ねる「ポポロ広場」にあるお店で、2003年の開店以来、「アルベロ」という愛称で、地元のお客様を中心に支持されるイタリア料理のお店です。

お店に入ると、まず目に飛び込んでくるのは大きな薪窯です。刻印された「２１２」の数字は、本場イタリア、ナポリに本部を置く「真のナポリピッツァ協会」の世界共通の認定番号とのこと。アルベロベッロは、2004年に神奈川県で初めて認定を受けており、国内のナポリピッツァの先駆け的なお店であることが分ります。

生地は小麦、酵母、塩と水のみを使用し8時間程度発酵させること。麺棒は使わずに手延ばしで成型すること。薪を使い高温の窯で60秒から90秒で焼き上げること。焼き上がりの生地には縁があり・・と「真のナポリピッツァ協会」はナポリピッツァの条件を細かく定めているそう。協会認定店として20周年を迎えた今も、それらのルールを忠実に守りながら日々焼き立てのピザを提供しています。

400度前後の窯で瞬く間に焼き上げられた一番人気の「マルゲリータ」。盛り上がった縁の部分は「コルニチョーネ」と呼ばれ、ナポリピッツァが大事にしている美味しさのポイントの一つ。トマトの酸味にモッツァレラチーズの絶妙な塩味とバジルの香り。溶けたチーズと生地の食感も素晴らしく、熱々ながら手が止まりません。

20種を超えるナポリピッツァは昼夜問わず単品でのオーダーもできますが、お昼はランチコースを選ぶお客様が多いそう。

平日は「ピッツァランチ」と「パスタランチ」の2種のコースがあり、定番品と月替わりのピッツァまたはパスタから一品、前菜（1種）・サラダと自家製フォカッチャ（写真左上）、プチドルチェとドリンクが付きます。

土日祝日の「休日ランチ」は、ピッツァまたはパスタから一品、前菜（3種）・サラダと自家製フォカッチャ、ドルチェ（2種）、ドリンクも付く大満足の内容です。

ナポリピッツァだけでなく、常連のお客様から厚い支持を受けているのがパスタ類。イタリアでの修行経験もある前中シェフはこの道20年超のベテラン。伊勢原産の素材を使って本格的なイタリア料理を作っています。

「ベーコンとアスパラガスのカルボナーラ リガトーニ」はランチコースで選ぶことができる月替わりの一品。

肉厚のベーコンに伊勢原産の新鮮なアスパラが映える春らしい一皿。チーズと黒胡椒の香りが食欲をそそります。伊勢原産卵を使ったカルボナーラの濃厚なソースと合わさり、ショートパスタの食感も絶妙。パンチのあるカルボナーラ、クセになる美味しさです。

店内は広く60席超。お一人さま、グループでのご来店も大歓迎とのこと。地元のお客様は普段のランチでの利用はもちろんのこと、ご家族や職場でのお祝いの食事会として利用されることも多いそうです。

店名の「アルベロベッロ」は南イタリア・プーリア州にある人口1万人ほどの小さな町の名前。温暖な気候のもと、オリーブの栽培が盛んな地域で、迷路のように入り組んだ路地沿いに並ぶ円錐型の白い建物（トゥルッリ）が並ぶ景観は世界遺産にも登録されています。

シェフ同様にイタリア料理に魅せられイタリアに何度も訪れているという棚橋店長がサービスを担っています。地産地消を意識して伊勢原産の食材を多く使っているのでしょうか？と尋ねたところ、「イタリア料理を紐解くと、幾つもの公国や共和国として異なる食文化を持つ地域が束ねられてきた国の歴史に繋がります。気候が異なるイタリア半島内の地域ごとに、自国内の素材を使うことが各地の郷土料理として当たり前のことでした。伊勢原の食材を使わせていただくことは、地域のイタリア料理店としては普通のことだと考えています」とのこと。

カフェアートもかわいい「カフェラテ」と「休日ランチ」のドルチェ（2種）。充実した食事の最後にぴったり、コースの余韻を楽しむ一皿です。

南イタリア・プーリア州特産のブッラータチーズを使ったメニューをはじめ、大山産鹿肉のローストなどジビエもあり、アラカルトも魅力的なメニューが沢山。イタリア産ワインはもちろん、珍しいイタリアのビールなどのドリンクも充実しています。

大山や日向薬師への参拝、ハイキングの帰りはもちろんのこと、アルベロベッロでの地元素材を活かしたイタリア料理を味わうために、伊勢原へ出かけてみてはいかがでしょうか。

※掲載情報は取材日時点（2024年4月）のものです。