大山の麓を満喫!イチョウ並木が美しい「伊勢原市総合運動公園」と農家直営の壺焼き芋専門店

標高1,252mの大山に連なる峰々の眺望も素晴らしい「伊勢原市総合運動公園」と農家直営の焼き芋専門店「ファーム堀江」を巡る散策コースをご紹介いたします。晩秋に見ごろを迎える金色に輝くイチョウ並木は県下有数の美しさで、広い敷地内にはウォーキングコースや景観も楽しむことができる自然散策路も整備されています。身体を動かした後には、農家さん自らが焼く熱々の焼き芋をいただきましょう。


展望よいウォーキングコースも充実。桜やイチョウの名所「伊勢原市総合運動公園」

広大な敷地には、神奈川県の高校野球の予選会場でもある野球場(いせはらサンシャイン・スタジアム)をはじめ、大小のアリーナやジムも備える伊勢原市体育館、屋外には自由広場や子どもの広場などがあり、本格的なスポーツからレジャーまで楽しむことができるのが伊勢原市総合運動公園です。公園内には複数のウォーキングコースが整備されています。小田急線「伊勢原駅」からバスを利用し、約10分でアクセスすることができます。

伊勢原市体育館
公園西側にあるバス停から緩やかなスロープの入口広場を抜けると、伊勢原市体育館があります。体育館前は中央広場となっており、ベンチやテーブルが設置されたスペースが広がっています。大小のアリーナやジムなどの設備が整う体育館は、個人の健康増進をはじめチームや団体のスポーツ振興の場として、伊勢原市の中心的な屋内スポーツ施設として利用されています。

自由広場
公園の西端にあるのが約12,000㎡の自由広場(多目的グラウンド)です。団体での利用がない時間は、ボール遊びなど誰でも自由に身体を動かすことが出来るスペースとして、無料で利用することができます。長方形のグラウンドの周りにはゴムチップ舗装された1周約460mの自由広場外周走路コースがありウォーキングやジョギングを楽しむこともできます。※多目的グラウンドの利用状況で外周走路を利用できない場合もあります。

ジョギング・ウォーキングコース・散策路
面積約15.4haという広さを誇る伊勢原市総合運動公園内には、いくつものジョギング・ウォーキングコースと散策路が整備されています。フラットなコースもあれば、高低差のあるコースも。その日の気分や体力に合わせて選ぶことができます。以下は、その一部です。

自然散策路コース 1080m(高低差 14m)
いちょう並木コース 700m(高低差 2m)
自由広場外周走路 460m(高低差 なし)
もみじの小径 160m(テーブル・ベンチあり)
さくらの小径 270m(ベンチあり)
どんぐりの小径 120m

いちょう並木コースともみじの小径
自由広場をぐるりと囲むようにあるのが「いちょう並木コース(700m)」です。所どころにベンチがあり、舗装され歩きやすいように整備されています。公園の南側にある調整池近くには「もみじの小径」があり、秋には真っ赤に染まるカエデを楽しむことができます。もみじの小径付近にはテーブルやベンチもあり、小休止やピクニックにも利用できます。

「いちょう並木コース」の名の通り、銀杏の木が連なり、緩やかなスロープになっています。例年11月下旬から12月上旬に黄葉した銀杏の葉が、頭上にも足元にもいっぱいに広がり、金色の空間を作り出します。心地よい秋の景色を楽しみながらのウォーキングは、心身ともに充足感を味わうことができます。

※いちょう並木コースは、駐車場から一般道への退出ルートとして使われる日があります。歩行にご注意ください。

自然散策路コース
ほかにも、野球場(いせはらサンシャイン・スタジアム)の周りを中心とした「自然散策路コース(1080m)」や公園内の北東側にある展望広場へつながる散策路もあります。どちらも少し高低差があります。

展望広場
展望広場(標高130m)に登ると、広い公園を見下ろす展望デッキがあります。西側正面に雄大な大山が迫り、伊勢原市総合運動公園に隣接している成城大学や専修大学のグラウンドをはじめ、南側には伊勢原市街も望むことができます。

海側にも展望デッキがあり、江の島や湘南方面の眺望も。ベンチも用意されており、散策途中の小休止にもぴったりです。春には桜が咲き、秋には紅葉を楽しむことができるスペースになっています。展望広場の上にもう一つ小さな展望スペースもあります。

展望広場からは東側の階段を降りると、隣接する伊勢原市東富岡公園や小田原と八王子方面を繋ぐ古道として人々が行き来した「津古久峠」にも通じる自然散策路につながっています。

※展望広場から東側(伊勢原市東富岡公園方面)への自然散策路は、通路の崩落があり、2024年12月現在通り抜けが出来ません。

展望広場から北側階段を降りると「子どもの広場」があります。広場内には、お子さま向けの遊具のみならず、大人が使うことができる健康遊具もあります。上半身や脚部など部位ごとにストレッチに効果がある6つの健康遊具があります。ウォーキング中に取り入れても良いですね。

子どもの広場
子どもの広場は、自然の傾斜を利用したロング滑り台や木製のアスレチック器具、大型複合遊具やふわふわドームなどお子さま向けの遊具が充実しています。ふわふわドームは年齢によって利用時間が分けられ、乳幼児用遊具もあるなど、未就学のお子さまも安心して楽しむことができるように工夫されています。

野球場(いせはらサンシャイン・スタジアム)
公園内の中央にあるのが野球場(いせはらサンシャイン・スタジアム)です。県の高校野球予選大会をはじめ、大学や社会人チームの試合などで利用されています。自然に囲まれた球場は、リラックスして実力を発揮することが出来そうな素晴らしいロケーションです。大山が見える球場で繰り広げられた熱戦は、試合内容と合わせて、選手にも観戦者にも、ずっと記憶に残るのではないでしょうか。

伊勢原市総合運動公園で開催されるイベント
園内では年間を通じて多くのイベントが開催され、市内外から多くの方が訪れて盛り上がりを見せています。
市民主導の花火大会として2009年にスタートした『いせはら芸術花火大会』は「創造性あふれる花火」が特徴の芸術花火を中心に、音楽と花火がシンクロする「メロディー花火」など、創造性豊かな花火大会となっており、約2万人の方が集い伊勢原の夜空に輝く花火を楽しみます。

初夏を彩る花や緑に触れあえるイベントとして、毎年5月に開催される「公園緑化まつり」では、緑のフリーマーケットをはじめ、ステージイベントやスタンプラリーなどを楽しむことができます。

伊勢原市の中央北側に位置する伊勢原市総合運動公園は、伊勢原市最大の公園です。運動やレジャーを楽しむことができる設備のみならず、目の前に広がる大山の山容を眺めながら手軽にウォーキングなどを楽しむことができるスポットです。ウォーキングやピクニックに、ぜひお出かけください。


伊勢原市総合運動公園 四季の草花

さくら並木
伊勢原市総合運動公園へのアプローチとなる入口付近の歩道沿いが桜並木となっており、3月下旬から4月上旬には約400メートルにわたってソメイヨシノが咲き誇ります。
公園内にはソメイヨシノ以外にもオオシマザクラや八重桜など約300本もの桜が植えられており、桜の種類によっては4月中旬までお花見を楽しむことができます。(写真提供:一般社団法人伊勢原市観光協会)

いちょう並木ともみじの小径
11月下旬から12月上旬にかけて、イチョウの木が黄葉し「いちょう並木」一帯を黄金色にします。また、公園南部にある調整池のほとりに位置する「もみじの小径」では、カエデの木が植えられており、紅葉狩りを楽しむこともできます。
伊勢原の紅葉といえば大山が有名ですが、混雑が苦手な方は、広々とした公園でゆっくりとイチョウやもみじを楽しむのもおすすめです。


江戸時代から続く農家直営。土日限定の壺焼き芋専門店「ファーム堀江」

高台にある伊勢原市総合運動公園から坂道を下って徒歩約10分、焼き芋ののぼり旗が並ぶ「ファーム堀江」に到着します。
畑があちこちに点在する昔ながらの伊勢原の風情を感じるエリアで、鎧塚古墳群をはじめ、奈良時代に創建された名刹「日向薬師」も近くにあるなど、古くからの人々の営みが色濃く残っています。堀江さんご一家は、江戸時代からこの地で農業を営んでこられたそうです。

「壺やきいも」と大きく書かれた黄色い小屋が建つ畑を目印に、左折した正面にあるのが「ファーム堀江」です。23年6月にオープンしたばかりの真新しいお店の軒先に焼き芋用の壺が並んでいます。土日だけ(※)の営業で、10時~17時まで営業しています。(※土日と合わせ連休となる祝日は営業。SNSなどでご確認ください。)

焼き芋の販売をはじめる以前は、自家栽培の新鮮な野菜を軒先の小屋に並べて主に無人販売のみを行っていたそうです。23年6月の店舗開設後は、旬の野菜をはじめ、お漬物など食品の取り扱いもスタート。これを目当てに来店されるお客さまも多くいらっしゃるのだとか。

焼き芋づくりのきっかけは、冬季の野菜販売や農作業をしているお母さまが暖をとれるように、そして自家用のおやつを兼ねてという理由だったとのこと。以前からサツマイモの栽培はされていたそうですが、より甘くて美味しい焼き芋を提供できるようにと、大型の貯蔵庫を新設。焼き方も試行錯誤を重ねて現在の壺焼き式になったそうです。

美味しい焼き芋を春先まで安定的に提供する秘密が、新たに導入された最新式の専用貯蔵庫です。「サツマイモは9℃以下では腐ってしまい、25℃前後にて変色や発芽してしまいます」と、話すのはサツマイモ栽培を主に担う堀江浩二さん。週末には、お父さまお母さまと一緒にお店を切り盛りしています。

「収穫時についてしまう表面の傷を癒すために、数日間は30℃前後、湿度も80%ほどの状態でキュアリング処理(高温・高湿度の環境で保存することで、皮下組織にコルク層を形成して傷を治す処理)をしています。それから庫内温度12-13℃で貯蔵します。この方法だと、徐々に糖度も増してくるんです」。5トン収蔵できるという貯蔵庫内は、人も心地よく感じる気温と湿度。思わずお昼寝したくなるような快適な環境に驚きます。秋に収穫されたサツマイモは、このような環境下で貯蔵を行うことで、12月頃から一気に糖度が増してくるそうです。

焼き立ては蜜が溢れるほど。湯気と一緒に甘い香りも漂います。

ファーム堀江で販売している壺焼き芋の原料となるサツマイモの約8割は自家栽培とのこと。自宅周辺に点在する水はけのよい土の畑にて農薬不使用で栽培しているそうです。「堀江ゴールド」という名称で販売しているのは、自家栽培した「紅はるか」。他にも、安納芋、シルクスイート、金時芋などの定番品種をはじめ、全国の産地から仕入れたブランド銘柄を合わせ、常時5-6種類ほどの壺焼き芋を販売しています。

目方で変わる販売価格は1本200円~600円という良心的なお値段。せっかくなら熱々を食べ比べてみましょう。

多い日には1日で500本も焼きあげるというサツマイモは、営業日前日に4~5回水洗いし、検品と計量をしながらアルミホイルで包みます。当日は朝5時から5つの壺の中に炭を入れて焼き始め、10時の開店を迎えます。これだけの仕事量を親子3人でこなしながら、営業時間中はお客さまに向ける笑顔が絶えません。

壺の底には炭が入っていて、最初は200℃近い高温で、後半は150℃程度でじっくりと遠赤外線で焼きあげます。一つの壺で一度に焼きあげられるのは15本程度。サイズによって焼き上がりにかかる時間はまちまちとのことですが、1時間半~2時間程度は要するとのこと。アルミホイルに包んで焼くから、水分が保持され皮も柔らかく食べやすく仕上がります。

「芋の状態を見ながら丁寧に洗っています」と話す、お母さまの言葉の通り、アルミホイルを外すと艶やかな外皮が現れます。

開店時間の10時を過ぎると続々とお客さまが来店しはじめます。来店されるタイミングによってはお待ちいただくこともあるそうです。購入本数が多い方や午後に来店を予定される方は、ファーム堀江のホームページにある予約機能を利用して、前日までに予約して来店されるのがおすすめです。

自家用はもちろん、お土産にもぴったりの「冷やし焼き芋」は伊勢原市のふるさと納税の返礼品にも認定されている一品で、お店で購入することができます。また焼き芋を使ったメニューも用意されており、「さつまいもバター」は、焼いたサツマイモを素揚げして、たっぷりのバターをしみ込ませたもの。濃厚なバターの風味とサツマイモの甘さ、熱々でホクホクの食感も絶妙です。

なお、店内は調理専用スペースとなっており、客席はありません。テイクアウトでの販売となっています。

大山や日向山を望む西富岡という地域で、ご親戚も含め江戸時代から続く農家だったと話すのは、7代目というお父さま。ご自宅敷地内で10年度ほど前まで酪農を営み、乳牛の飼育もされていたとのこと。その時代からの堆肥を入れた土づくりの恩恵もあり、サツマイモをはじめ、色々な野菜が元気に育つそうです。

ファーム堀江店頭での壺焼き芋の販売は例年11月頃から4月末の土日のみ(土日に連続する祝日は営業)。その他の期間は野菜のみの無人販売となります。その他、イベント等に出店し壺焼き芋を販売することもあるそうです。SNSなどをチェックしてください。

育てた農家さん自らが壺で焼きあげる熱々で甘い焼き芋を味わいに、空気も美味しい自然豊かな伊勢原へお出かけください。


記事のスポット情報

今回は、伊勢原市総合運動公園でのウォーキングやピクニック、ファーム堀江での焼き芋を楽しむ日帰りプランのご紹介でした。伊勢原駅までは新宿駅から55分ほどで到着します。豊かな自然を身近に感じることができる伊勢原市へ、ぜひお出かけください。

※掲載情報は取材日時点(2024年12月)のものです。

INFORMATION

伊勢原市総合運動公園

広大な敷地には、神奈川県の高校野球の予選会場でもある野球場(いせはらサンシャイン・スタジアム)をはじめ、大小のアリーナやジムも備える伊勢原市体育館、屋外には自由広場や子どもの広場などがあり、本格的なスポーツからレジャーまで楽しむことができるのが伊勢原市総合運動公園です。公園内には複数のウォーキングコースが整備され、大山の山容を眺めながらの散策を楽しむことができます。春には桜が咲き、晩秋にはイチョウ並木が黄金色に染まります。

INFORMATION

ファーム堀江

大山を望む麓の地域で江戸時代から続く農家さんが自家栽培したサツマイモで作る「壺焼き芋」の専門店。店頭には農薬不使用栽培の自家栽培の野菜や漬物なども販売も。壺焼き芋の販売は、毎年11月頃から4月末の土日のみ(土日に連続する祝日は営業)。その他の期間は野菜のみの無人販売となります。その他、イベント等に出店し壺焼き芋を販売することも。営業日はSNSをチェックしてください。