豊かな自然の中で馬と触れ合い 旬を凝縮したジェラートを味わう秦野旅
日常を離れ、心身を解き放つご褒美旅へ出かけませんか。「秦野国際乗馬クラブ」は、丹沢山麓の豊かな自然の中で、初めての方も安心して乗馬体験を楽しむことができます。美しい馬と触れ合った後には、「ARIETTA DEL GELATO」へ。本場イタリアで修行を積んだシェフが作る、旬の美味しさを凝縮したジェラートは、まさに五感に響く味わいです。都心からわずか1時間強でアクセスできる秦野で、特別な体験へと誘います。
馬のぬくもりに癒され、一体となって風を切る爽快感が魅力「秦野国際乗馬クラブ」

1972年の創業以来、地元はもちろん横浜や千葉など県内外からも多くの人が訪れる「秦野国際乗馬クラブ」。体験乗馬から本格的な馬術レッスンまで、レベルに合わせて馬との時間を楽しめます。
小田急線と神奈中バスが乗り降り自由になる「丹沢・大山フリーパス」を利用すれば、お得にアクセスできます。「秦野駅北口」から「蓑毛行」または「ヤビツ峠行」のバスに乗り、「名古木(ながぬき)」バス停で下車。そこから静かな道をのんびり歩くこと約20分、馬のイラストが描かれた建物が見えたら到着です。


「秦野国際乗馬クラブ」では、30頭ほどの馬がのびのびと暮らしています。その顔ぶれは、4~5歳の若い馬から24~25歳の経験豊かなベテランまで、実に多彩。競走馬を引退してここにやってきた馬も多いといいます。ちなみに、競走馬から乗用馬として再調教するのに、通常で半年から1年、気性が荒い馬の場合だと1〜2年ほど要するのだとか。
「速く走ることを目標にトレーニングしてきた競走馬が、落ち着いてゆっくり歩くようになるためには、時間をかけて練習する必要があるんです」と、インストラクターの小林さんが教えてくれました。

「では、さっそく始めましょうか」。いよいよ体験乗馬のスタートです。
まず身につけるのは、ズボンの上から巻くチャップス。足首から膝下までを保護するだけでなく、ふくらはぎで馬の体をしっかり挟めるようサポートしてくれる役割もあります。初めての方はチャップスで十分ですが、本格的な乗馬ではロングブーツを着用するのが正式なスタイルなのだそう。


続いて、落馬時の衝撃を軽減するボディプロテクター(ベスト)とヘルメットを装着して、準備完了です。それでは馬場へ向かいましょう。

目の前に広がる馬場は20m×60mが2面と、20m×40mが1面。そのほかにポニーリンクもあります。ふと景色の開けたほうに目を向けると、堂々とそびえる富士山が。秦野ならではの豊かな自然に囲まれて乗馬を楽しむなんて、まさに贅沢そのものです。


スタッフに連れられて、毛並みの美しい一頭の馬が静かに姿を現しました。名前はグレートバルサー(2001年生まれ)。体験乗馬で数多くのレッスン生を乗せてきた、穏やかな性格のサラブレッドです。
乗馬台に上がり、左足を鐙(あぶみ)にかけてまたがった瞬間、思わず「高い……!」と声が漏れました。サラブレッドの体高は160~170cmほど。まるで大人に肩車されているような高さで、落ちてしまいそうな不安から、つい太ももの内側にも力が入ってしまいます。するとインストラクターの小林さんが、「足に力が入りすぎると、馬にも緊張が伝わって動かなくなることがあるので、できるだけリラックスして」とやさしく声をかけてくれました。

やがて視界の高さにも慣れ、前を見る余裕が出てきた頃、「では、両足でお腹をぽんと蹴ってみましょう」と小林さん。その合図に応えるように、グレートバルサーがゆったりと歩き始めます。まずは「常歩(なみあし)」と呼ばれる、人間の歩くスピードと同じぐらいの歩行から。思っていた以上に上下の揺れが大きく、体幹を意識しないとバランスを崩してしまいそうです。「力を抜いて、おしりでリズムを感じて」とのアドバイスを受け、馬のリズムに身を委ねられるよう、注意を払います。


歩き方に慣れてきたところで、次は「止まる」練習へ。手綱は常に軽く張った状態を保ち、止まりたいときは両手でそっと引いて合図します。ほんのわずかな力加減で馬が反応することに驚きつつ、徐々にコミュニケーションのコツがつかめてきたような気がします。
後半はいよいよ「速歩(はやあし)」に挑戦です。合図を送ると、先ほどよりもスピードアップ。途端に体がぽんぽんと弾んでお尻が馬の背に当たるのを繰り返すうちに、グレートバルサーはスピードを緩めてしまいました。
小林さんによると、速歩のコツは馬のリズムに合わせて、タイミングよく立ったり座ったりを繰り返すこと。人間が上下して衝撃を逃すことで、馬への負担が減り、より快適に走れるようになるのだそうです。
何度か繰り返すうちに、ふっと馬の動きと自分の体がぴたりと合う瞬間があり、これには思わず感激。馬と一体になれたような感覚は、乗馬ならではの特別な体験でした。


最後は常歩に戻してゆっくりと馬場を一周し、体験乗馬は終了。馬を降りるときは右足を大きく後ろへ回し、鞍に体を預けながら左足を外して着地します。あっという間の30分でしたが、充実感でいっぱいになりました。
秦野国際乗馬クラブの「体験乗馬」は全4回のプログラム。最終的にはインストラクターが紐で誘導をせず、自分の操作だけで速歩ができるのを目標にレッスンを行います。

最後に、代表の小泉さんにもお話を伺いました。創業者のご子息であり、小学6年生の頃から馬とともに歩んできた小泉さんは、指導の傍ら現在も馬術競技に出場する現役の騎乗者。「乗馬で心が癒やされたと言ってもらえるのがうれしい」とにこやかに語る姿からは、馬への深い愛情がにじみ出ていました。ここはただ技術を教えるだけでなく、馬と向き合う楽しさそのものを教えてくれる場所なのだと実感しました。


「秦野国際乗馬クラブ」の周辺には、古くは矢倉沢往還の要衝として旅人が行き交い、源頼朝も通ったと伝わる善波峠や、春には約1,400本の桜が咲き誇り、展望台から丹沢の稜線や富士山まで望める弘法山公園といった魅力あふれる名所も点在しています。乗馬とあわせて訪れれば、秦野の魅力をより深く味わえることでしょう。
※掲載情報は取材日時点(2025年11月)のものです。
豊かな大地に吹くそよ風のような味わい。 「ARIETTA DEL GELATO(アリエッタ デル ジェラート)」


美しい山並みを望む自然の中で、馬と触れ合い、乗馬を楽しんだ後にぜひ立ち寄っていただきたいスポットがあります。2018年にオープンしたジェラート専門店「ARIETTA DEL GELATO(アリエッタ デル ジェラート、以下アリエッタ)」です。豊かな自然の恵みを凝縮したような味わいが人気を呼んでいます。秦野国際乗馬クラブからは、バスで秦野駅まで戻り、南口から徒歩16分ほど。駅周辺の散策を楽しみながら、少し足を延ばしてみましょう。


明るい店内にはイートインスペースがあり、店頭のテラスベンチで風を感じながらいただくのもおすすめ。もちろん、お土産にテイクアウトもできます。

まず目を引くのは、壁一面に書かれた大きな黒板メニューです。販売されている全28種類のジェラートの特徴が丁寧に手書きされており、無意識のうちに好きな素材や果物を探していることに気が付きます。これだけの中から好みの品を選ぶことの難しさたるや。この品定めの時間も存分に楽しみましょう。
オーダーは、カップかコーンを選び、お好みのジェラートを1〜3種類組み合わせるスタイルです。ぜひ心惹かれる組み合わせを選んでみてください。

オーダーを伝え、会計を済ませると、新鮮なジェラートを手際よくスクープし、カップやコーンに盛り付けてくれます。カラフルなジェラートが盛り付けられていく様子を眺める時間は、その風味を想像する幸せなひと時になります。
中身が見えないシルバーのショーケースは、本場イタリア製。製造から提供まで、品質を最高の状態に保つのに最適なのだそう。 実はこれ、店主の肥田野さんがイタリアでの修行時代に慣れ親しんだ設備であり、2024年に、新しい大型ショーケースに入れ替えられたばかりとのこと。ずらりと28種類が並ぶ光景には、ジェラテリアとしての誇りと心意気が感じられます。


シルバーの丸い蓋を持ち上げると、店舗奥の工房で製造された新鮮なジェラートが出番を待っています。常時28種類もある個性豊かなジェラートは、すべて肥田野シェフ自ら素材の加工から商品になるまで工房で製造しています。
季節ごとに変化するメニューで使う材料の多くは、秦野をはじめ二宮や大磯など神奈川県西部地域のゆかりのある生産者さんから仕入れたもの。それにしても、28種類もの品目を日々製造し販売することは大変なことなのではないでしょうか。

「イタリアで修行していたお店が、毎日28種類製造販売しているジェラテリアだったんです。それに倣って、自分のお店でもと想い、アリエッタでも日々28種類を製造し、販売しています」と肥田野さん。
イタリアで修業を積んだのは約10年前の2015年のこと。イタリアには、あまたのジェラテリアがあるそうですが、美味しいお店はほんの一握りなのだとか。修行先を探している中、偶然立ち寄ったミラノ郊外のお店、「Gelateria Pallini(ジェラテリア パッリーニ)」でした。その味わいに惚れこみ、修行の申し出を直談判。熱意が伝わり、迎え入れてもらう幸運に恵まれます。夜遅くまで続く過酷な製造現場で、素材選びからジェラートづくりの全てを学んだと言います。
ある日、肥田野さんが市場で見つけた桃でジェラートを作った時のこと。試食した店主は、一瞬厳しいしぐさを見せた直後、こう言ったそうです。「Arrivata arietta.(そよ風を感じたよ!)」これは「最高だ!」という賛辞でした。それがとても嬉しかった肥田野さんは、「Arietta(アリエッタ=そよ風)」を、店名に掲げることにしました。
「今も僕のマエストロです」という言葉からも、パッリーニの店主アルベルトさんを敬愛し慕っている様子が伝わってきます。

新潟県ご出身の肥田野さんのお父さまは、長年地元で腕を振るう名シェフとして有名です。ご自身は製菓学校を卒業後、都内の有名店で洋菓子職人として腕を磨き、その後ジェラートの世界へ。国内のデザートコンテストでの優勝や、イタリアで開催された世界大会への出場も経験されています。
その世界大会に出場後、先輩たちと訪れたイタリアの牧場で食べた素朴なミルクのジェラートが転機になったという肥田野さん。口に運んだ瞬間に、幼少期のいろんな楽しかった思い出が浮かんできて、ジェラートの本質を体験したと言います。「味が持つ力を思い知らされた」ほどの大きな出来事だったと当時を振り返ります。
イタリアでの修業を経て、都内でアイスケーキ店立ち上げなどに携わり、2018年に念願だったご自身のお店を秦野に開きました。華やかに見えるご経歴ですが、必要なドアは迷わずノックする姿勢とチャレンジするゆえにふりかかる困難に向き合い、技術と人間性を磨き続けてきたことが、お店の雰囲気からも伝わってきます。


スクープされ盛り付けられた新鮮なジェラートが光を放ちます。口に運ぶ前に、素材の香りも楽しみましょう。
カップ(写真左)は、王道の「チョッコラート」と、秦野特産の落花生を使った「焙煎落花生」。上品なカカオの香りと、ピーナッツの濃厚な旨味が重なり合う、大人な組み合わせ。ほろ苦さとコク、甘さのバランスが絶妙です。
コーン(写真右)は、冬から春までの期間限定「秦野産完熟いちご」、濃厚な「ピスタッキオ」、そして岩手県産牛乳の「ラッテ」の3種です。イタリア国旗のような鮮やかな彩りが気分を上げてくれます。フレッシュな苺の酸味、ローストされたピスタチオのコク、そしてシンプルゆえに技術が光るミルクの甘み。 食べ終える頃には、思わず「次はどれを食べようかな」と考えてしまうはずです。


店頭では、ジェラートにも合う焼き菓子も販売しています。ジェラート職人を歩み始める前に経験した洋菓子づくりの技術は、その後ジェラートの製造にも大いに役立ってきたと肥田野さんは言います。今は、ジェラートで培った知見を、焼き菓子にフィードバックしながらアリエッタの焼き菓子を作っているそうです。日持ちのする焼き菓子は、お土産にもぴったりですね。
お店がある「はだの桜みち」がピンクに染まる春も、緑が美しい夏や紅葉の季節も。アリエッタには、丹沢の麓の空気まで包み込んだような優しい風が吹いているようです。その「そよ風」のような味わいを体験に、ぜひお立ち寄りください。
※「はだの桜みち」写真提供 秦野市
※掲載情報は取材日時点(2025年12月)のものです。
記事のスポット情報
INFORMATION
秦野国際乗馬クラブ
雄大な富士山を望む絶好のロケーションにある乗馬クラブです。経験豊富なインストラクターが、初心者から上級者まで一人ひとりに寄り添って丁寧にサポート。全4回のプログラムで構成される「体験乗馬」では、馬とのふれあいや基本動作をしっかり学べるだけでなく、開放感あふれる環境で馬と呼吸を合わせる心地よさも味わえます。乗馬は敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、アットホームな雰囲気で、お子さまから大人まで気軽に馬と触れ合えると評判です。
INFORMATION
ARIETTA DEL GELATO(アリエッタ デル ジェラート)
秦野市の「アリエッタ デル ジェラート」は、本場イタリアの技と地元の旬を凝縮したジェラート専門店です。店主は国内のデザートコンテストでの優勝や世界大会出場の経験を持つ実力派です。イタリアでの修行中、自作の味を「そよ風(アリエッタ)が届いた!」と、絶賛された感動を胸に、日々28種のフレーバーを手作りしています。秦野をはじめとする近隣の地域の恵みを活かした至福のジェラートを味わいに、お出かけください。