厚木七沢・広沢寺で楽しむ日帰り温泉

神奈川県厚木市の奥座敷で、身も心も癒される。

小田急沿線の厚木市には、七沢温泉や広沢寺温泉、飯山温泉など、複数の温泉が点在しています。周辺に広がるのは東丹沢の自然に囲まれた緑豊かな里山風景。“秘湯”と呼びたくなる落ち着いた佇まいの宿が多く、都心からほど近いにもかかわらず、非日常を感じながらゆっくりと過ごすことができます。

中でも、日本の名湯百選にも選ばれた七沢温泉は、“まるで化粧水のよう”と言われるほどトロトロとした強アルカリ性のお湯が特徴で、「美肌の湯」として女性に人気の温泉です。

今回は七沢温泉、広沢寺温泉の日帰り入浴ができる「おすすめの温泉宿」を3ヶ所ご紹介します。記事の最後では、あわせて立ち寄りたい人気グルメや地元の特産品に出会えるお店もご紹介しますので、お見逃しなく。

1.【元湯玉川館】文人墨客の足跡に思いを馳せて

七沢温泉の「元湯玉川館」は、山あいに佇む小さな和風宿。古くから湯治場として栄えた七沢の地で明治35年（1902年）に創業し、数々の文人墨客に親しまれてきました。

時が流れ、人々を取り巻く環境や生活スタイルが変わった今も、「体を休め、気持ちを休めていただくことで、健康な体づくりに役立つ宿屋を創る」という〝創業者の想い〟を受け継ぎ、お客さまが心静かに「現代湯治（いまとうじ）」の時間を過ごせる場であり続けることを大切にしています。

玉川館は日帰り入浴も可能で、入浴のみの利用はもちろん、入浴と食事、客室滞在がセットになったプランもあり、日帰りでも気軽に現代湯治を楽しめます。

秋からゴールデンウィークあたりまでは、名物の「猪鍋」が食事メニューに加わり、コラーゲンがたっぷりと含まれるイノシシの肉と、強アルカリ泉との相乗効果でさらにお肌がつるつるになりそうです。

併設のレトロなカフェは、木漏れ日が差し込むくつろぎの空間。スパイスから丁寧につくるキーマカレーのランチやはちみつバタートースト、旬のフルーツを使ったスイーツなどを、コーヒーやビールとともにいかがでしょうか。

2.【七扇nanaougi（旧：盛楽苑）】アーティスティックな空間で非日常のひとときを

2018年にリニューアルされ、デザイナーが手がけた露天風呂付き客室が話題の「七扇nanaougi（旧：盛楽苑）」。和の趣に包まれたエントランスを一歩踏み入れると、アーティスティックな空間が館内に広がります。

日帰りプランは15:00～22:00までの夕食付き。地の食材をふんだんに使用した料理を堪能しながら、美肌の湯に浸かり、デザイナーズルームでゆったりと過ごす。そんな一日はいかがでしょうか。

「寛〜hiro〜」「紃〜syun〜」「懐〜kai〜」と名付けられたデザイナーズルームは、3タイプとも露天風呂付きで46㎡から58㎡の広々とした空間。館内には大浴場、露天風呂もあり、美肌の湯として親しまれるやわらかなアルカリ泉で、ゆっくりと身体を休めることができます。

湯上がり処として利用できる「Library&Bar」は、支配人が選んだ書籍が並ぶスペース。バーカウンターが併設されているため、ビールやワイン、地酒などを片手に、ゆっくりと読書の時間を楽しむことができます。
「七扇nanaougi（旧：盛楽苑）」は、 “幻の牛肉”と呼ばれる神奈川県の希少銘柄、「相州牛」に出会える貴重なスポット。訪れた際は、ぜひ、極上の旨みと風味をもつキメ細かな肉質をご賞味ください。

3.【玉翠楼】郷土料理「猪鍋」を生み出した老舗宿

「玉翠楼」は、七沢温泉郷のひとつに数えられる広沢寺温泉の一軒宿です。厚木を代表する郷土料理、「猪鍋」発祥の宿として知られるだけあり、館内にはイノシシにまつわる貴重なアイテムがずらりと勢揃い。全国から集められたイノシシの郷土玩具がロビーに展示され、お土産処では珍しいイノシシグッズも扱っています。

東丹沢の名湯として小田急線の開通とともに誕生した源泉は、敷地内の地下100mから湧き出る天然水100％の沸かし湯。PH10.3の強アルカリ泉は、“美人の湯”と言われる滑らかな肌ざわりが特長です。また、 “子宝の湯”としても神泉と讃えられ、疲労回復、ストレス解消、美容まで幅広い効能が期待できます。

日帰り利用は、入浴のみや入浴と食事が付いたコースのほか、11:00～17:00（最大6時間）まで、離れのお部屋で滞在できるデイユースプランもあります。秘伝のたれで仕上げられた名物の猪鍋や地のお酒などを堪能しながら、一日を玉翠楼でゆるりと過ごしてはいかがでしょうか。

昭和初期に建てられた純日本風の建屋は、ノスタルジックな雰囲気でいっぱい。古い壁掛け時計が現役で時を知らせるほか、昭和レトロな看板や電話、たばこの自動販売機、GHQのレコードプレーヤーなど、貴重な品々が残され、博物館のような楽しさであふれています。

温泉帰りに立ち寄りたい七沢・広沢寺のお店

七沢・広沢寺温泉の周辺には、地酒を販売している老舗の酒蔵やこだわりのラーメン店など、隠れた名店があります。せっかくなので、温泉帰りに足を運んでみてはいかがでしょうか。

1.【黄金井酒造】厚木市以外では入手困難　老舗蔵元がつくる名酒

「黄金井酒造」は、文政元年（1818年）創業の老舗蔵元。厚木の地酒「盛升（さかります）」をはじめ、CRAFT BEER「さがみビール」、本格焼酎「旗頭」、いも焼酎「黄金露」など、さまざまな酒を醸造しています。

東丹沢の伏流水で仕込む清酒は、どんな料理ともよく合うキレのよい飲み口が特長。「大吟醸 盛升」が全国新酒鑑評会で金賞を連続受賞するほか、「クラフトジン黄金井」が東京ウイスキー＆スピリッツコンペティション2022で銀賞を受賞するなど、各種鑑評会で高く評価されています。酒蔵見学も受け付けているので、ぜひ、お問い合わせを。

2.【ZUND-BAR】阿夫利山の清らかな水が生む淡麗系ラーメン

淡麗でありながら奥深い味わいでラーメン通をうならせる「AFURI」グループの総本店、「ZUND-BAR」。大山（通称：阿夫利山）の清らかな天然水を使った黄金色のスープには、国産の丸鶏・魚介・香味野菜など、厳選素材の旨みが凝縮され、最後の一滴まで飲み干したくなるおいしさです。

さわやかな柚子の香りが広がる「柚子塩らーめん」は、店を代表する一杯。醤油らーめんや各種つけ麺、ヴィーガンらーめん、夏季限定の冷やし麺など、メニューは豊富に揃い、麺はコンニャク麵に変えることもできるため、カロリーが気になる方も安心して食べられます。