シロップから手作り!伊勢原のかき氷が人気のカフェ・レストラン

神奈川県伊勢原市でかき氷が人気のお店「YAOJI CAFE」と「カルガモテラス」をご紹介します。色彩豊かで夏に映える見た目と、自家製シロップの風味が絶品と支持されている地域の人気店です。大山や日向薬師への参拝やハイキングなど、伊勢原へお出かけの際にはぜひお立ち寄りください。

果物たっぷりのかき氷が話題 伊勢原駅前の八百屋さん併設カフェ「YAOJI CAFE」

伊勢原駅北口の階段を降りてすぐ、大山阿夫利神社の青銅製大鳥居をくぐり小径を抜けた先に見える黄色い建物が、1962年創業で阪本さんご夫婦が経営する八百治商店です。お店の中から聞こえる元気の良い店主の声に思わず足をとめ、立ち寄りたくなる八百屋さん。新鮮な野菜や果物を良心的な価格で販売し、市民の台所を支え続けるお店です。

店舗の一部スペースを改装し、2022年6月から営業を始めたのが「YAOJI CAFE」。販売用に仕入れた果物や野菜の中でも規格外のものやキズがついたものを活用し、少しでもフードロスを減らそうと始めたそうです。

店頭右側が「YAOJI CAFE」。もともとは売り場だったスペースを半年以上の時間をかけDIYで改装されたそう。店内には居心地のよいカウンター席があり、軒先にはテラス席も。

カフェメニューは、八百屋さんで販売されている果物や野菜を使っており、スムージーは定番人気の一品とのこと。「イチゴちゃんスムージー」は、店頭で販売している苺を凍らせて使ったフレッシュな味わいの贅沢な一杯。バナナ系のスムージーは通年で提供されているそうです。

秋から春先にかけては、果物たっぷりのフルーツサンドイッチやシルクスイートなどのさつまいもや南瓜を使ったバスクチーズケーキも人気とのこと。テイクアウトでも販売されているそうです。(かき氷販売期間はイートイン、テイクアウトともに販売休止)

かき氷には、シロップや果物の味を最後まで楽しめるようにと、溶けにくい純氷が使われています。削りに時間がかかるため、週末などは提供に少しお時間をいただくこともあるそうです。

かき氷のお品書きは旬のフルーツを中心に常時5種類前後を提供。他にも抹茶あずきもリピーターに人気の一品とのこと。オープン当初は近隣の女性や親子連れなど八百屋のお客様の来店が多かったようですが、徐々に伊勢原の学校に通う学生さんも来店され、最近はネットやSNSで見たお客様が遠方からも訪れており、週末は行列ができることもあるとか。

「モモちゃん」(写真左)は、贅沢にも生の桃の果肉がたっぷりと盛り付けられ、手作りのシロップとの相性も抜群。添えられた練乳も手作りというから驚きです。この練乳、果物とシロップとの相性を考えて、かき氷ごとに異なる種類のものを用意しているというこだわりも素晴らしいです。

「デコポンオレンジ」(写真右)は、デコポンの果肉をさっと煮出して作ったという濃厚なシロップがたっぷり。柑橘の爽やかな香りにバニラアイスがよく合います。絶妙な甘さ加減のジュレのような食感のソースが絶品です。

そして「メロンちゃん」も、氷の上にメロンの果肉がゴロゴロ。この日は茨城県産の「イバラキング」という品種で、「このメロン買って帰りたい!」と、お隣の席で食べていたお客様の会話も聞こえてきます。

残さずに食べきれるサイズのかき氷をお手頃価格で提供されており、フードロスを減らしたいというお考えが、メニューにもしっかりと現れているようです。

カフェの隣は季節の果物や野菜が並ぶ青果販売スペース。八百治商店3代目の阪本隆一さんを中心に、お客様に対応しています。今日の一押し商品をしっかりと勧めてくださるのも、なんだか懐かしく嬉しい光景です。カフェで寛いだ後に、お買い物をたのしむ方も多いそう。

カフェを切り盛りする明子さんは、もともとご自宅でもフルーツサンドやジャムはもちろん、梅やレモンなどのシロップ漬けも作られてご家族で楽しんでいたそう。ご商売柄多くの果物や野菜の特徴も把握されており、新しいメニューに向けたアイディアも浮かんでくるのだとか。ご実家が飲食店を経営されていたこともあり、「よく手伝いをしていたから」と、カフェの仕事も板についています。

その明子さんには、もう一つ別の顔が。困っている動物たちに手を差し伸べるNPO「伊勢原どうぶつ愛護の会」の活動にも携わっており、お店以外でも大忙しとのこと。人間の身勝手な行動に脅かされる動物たちの情報があれば、行政との連携や里親探しなどに奔走し、「命が繋がった・・」と安堵することも多いとか。レジの横に掲示されている沢山の里親募集のお知らせからも、お取り組みの熱量が伝わってきます。

そんなご縁で、里親を引き受けてくださった方も、そのワンちゃんを連れて買い物やカフェに寛ぎにやってきます。

果物の旬はどんどん移り変わるため、かき氷のメニューもそれに合わせて入れ替わってゆくそうです。フードロスを減らし、動物にも愛情を注ぐ明子さんが作るかき氷との一期一会を楽しみに、「YAOJI CAFE」へ出かけてみませんか。ひょっとすると、ワンちゃんやネコちゃんとの一期一会のめぐり逢いもあるかもしれません。

※掲載情報は取材日時点(2024年6月)のものです。

INFORMATION

YAOJI CAFE(ヤオジ カフェ)

伊勢原駅前の老舗八百屋さんが営むカフェ。自店舗で販売する果物や野菜のうち規格外やキズのついたものを使いフードロスを減らすために開業。シロップから手作りのかき氷やバスクチーズケーキなどが人気のお店です。


身体が喜ぶスパイスカレーと自家製フルーツソースたっぷりのかき氷が絶品「カルガモテラス」

伊勢原駅南口からバスで7分ほど。ウッディな黒い壁、赤いオーニングテントが目印の「カルガモテラス」は化学調味料・小麦粉不使用のスパイスカレーと自家製フルーツソースたっぷりのかき氷のお店。週に一日、日曜日のみの営業ながら、早い時間からお客様でいっぱいの人気店です。

趣のある木のテーブルや椅子、シーリングライト。板張りの床や明るい壁の内装は店主のユウコさんと店長のマサコさんがDIYで仕上げたものだそうです。

植栽の間を抜ける散策路のようなテラス席。ガーデンテーブルやパラソルが配置され、ちょっとしたリゾート気分を味わえます。もちろん、ワンちゃんの同席もOK。
テラス席の奥から見える池には店名の由来になったカルガモのファミリーがよく訪れるそうです。(残念ながら、この日は留守番役のアオサギ君だけ)

インドでスパイスを学んだ店主のユウコさんがつくるカレーは化学調味料、小麦粉を使わず、たっぷりの野菜とスパイスで仕込んだもの。国産鶏のガラで引いたスープに、飴色になるまで10時間以上じっくりと炒めた玉ねぎ、セロリや人参などの香味野菜、マンゴーなどの果物を合わせてあり、スパイス(ガラムマサラ)も独自に調合・焙煎した、挽き立てのものだそうです。
人気No.1の「2種盛りカリー」は、スパイスたっぷりの「香りカリー」と甘さの中に旨味とコクがある「バターチキンカリー」の盛り合わせ。ライスには香ばしくグリルされた「信玄鶏」がトッピングされています。
それぞれのカリーの味わいを楽しんでから、混ぜ合わせて「味変」して食べるのもオススメです。辛さよりもスパイスの奥深さを感じられ、食べているうちに「身体が内側から整っていく」ようです。

「カルガモテラス」のかき氷は10センチ四方ほどのブロックアイス(純氷)を使用。薄く均等に削るので、ふわふわと柔らかく淡雪のようです。器の1/3ほどまで氷を削り、シロップとソースを掛け、その上にまた削った氷をこんもりとのせ、手で丁寧に成型します。最後にたっぷりとソースをかけ、生クリームをトッピングして完成。

「マンゴーとイチゴミルクのかき氷」(季節限定メニュー)は、濃厚な甘みのアップルマンゴーと爽やかなイチゴミルクのソースがたっぷりとかかったリッチなかき氷。きめ細かく柔らかい氷を2種類のソースが包み込み、口の中で優しく融けていきます。

「マサラチャイのかき氷」は独自ブレンドのスパイスを使ったカレー屋さんならではのメニュー。一口含むとほろ苦いスパイスの香りが口に広がり、食べ進むうちに中に仕込んだ甘いシロップが交じり合い、まさにマサラチャイの風味。他店ではなかなか味わえない、さっぱりとした大人向けのかき氷です。
昼過ぎまではカレーを注文されるお客様が多く混み合うので、かき氷のみの場合は13時以降がおすすめとのこと。
※冬季のかき氷営業についてはお店の公式インスタグラムで情報をご確認ください。 

コーヒーは仕入れた生豆を洗浄し、天日干しして店内の焙煎機で焙煎したものを使用。フレンチプレスでサーブされ、雑味がなく、すっきりとクリアな味です。自家焙煎の豆は「白孔雀珈琲」というブランド名で店内販売しており、通販でも購入できるそうです。

コーヒー焙煎や接客、広報を担当している店長のマサコさんは、有名アーティストに楽曲を提供している音楽アーティスト。そして、キッチンを取り仕切る店主のユウコさんは大学時代から世界40か国以上をバックパッカーとして巡り、タイでマッサージ技術を習得後、マッサージサロンを営業されていました。
二人の出会いは、ユウコさんのサロンに体調不良を抱えていたマサコさんが通いはじめたことがきっかけで、施術や健康へのアドバイスを受け、マサコさんは「未病のデパートから脱却した」そうです。
10年間で延べ数千人もの施術を行い、健康のためには口から入れる「食べもの」が重要だと痛感していたユウコさんは、インドで学んだスパイスを使ったカレー料理店の開業を決意。2018年、マサコさんを店長に迎え、店の内装やテラス、駐車場の整備まですべて二人でおこなって、「カルガモテラス」をオープンされました。

今では毎週お客様が引きも切らないカルガモテラス。ユウコさんのこだわりのカレーとかき氷を味わいに、そしてマサコ店長の素敵な笑顔に会いに出かけてみませんか。

※掲載情報は取材日時点(2024年6月)のものです。

INFORMATION

カルガモテラス

伊勢原駅からバスで7分ほど。本場インドでスパイスを学んだオーナーの無化調、小麦粉不使用のスパイスカレーと自家製フルーツソースたっぷりのふわふわかき氷が人気のお店です。