とこトン味わおう!厚木で美味しい定食が味わえる評判のお店

小田急線本厚木駅周辺の「定食」が人気のお店をご紹介します。地元厚木産の豚肉を焼きながら味わう「厚木シロホルモン おひさま」と、全国から厳選した豚肉を揚げたてで味わう「とんかつ こばやし亭」です。両店ともに、豚肉の美味しさを堪能できると、地元からも支持される名店です。厚木市周辺、七沢方面へのハイキングや温泉などにお出かけの際には、ぜひお立ち寄りください。
厚木名物の豚ホルモン焼き、とん漬け、鮎を定食で味わえる「厚木シロホルモン おひさま」


本厚木駅南口には、厚木出身のアーテイスト「いきものがかり」の曲名から名付けられた「ジョイフル通り」があります。そのアップテンポな曲調で気分もあがる「じょいふる」を聴きながら向かいたいのが、「厚木シロホルモン おひさま」です。地元厚木産の新鮮な豚ホルモン焼きと「とん漬け」と呼ばれる豚ロース肉の味噌漬けを提供しているお店です。平日のお昼の時間帯は、気軽に定食としていただくことができます。


以前から厚木で愛されていた豚ホルモン焼き、中でも豚の大腸にあたるシロホルモンは、ご当地グルメでまちおこしを掲げる「B-1グランプリ」2008年大会での優勝を機に、全国的にも知られるように。現在も本厚木駅周辺で豚ホルモン焼きを提供する専門店は多くありますが、お昼から気軽に楽しめる希少なお店として人気なのが「おひさま」です。
そして、江戸時代末期に猪肉を味噌漬けにしたことがルーツといわれるのが「とん漬け」です。文化省の「伝統の100年フード部門~江戸時代から続く郷土の料理〜」として「100年フード」にも認定され、まさに厚木の伝統的食文化を継承する一品となっています。良質な水と豊かな自然が広がる厚木は、1980年代まで300軒を超える養豚場があった関東屈指の畜産業集積エリアでした。厚木の名物となった「とん漬け」は、市内を中心に近隣で生産された豚肉を使い、こだわりの味噌で漬け込んだ銘品として継承されています。
平日限定のランチメニューでは、上質なシロホルモン「上シロ」と「とん漬け」の両方を楽しむことができる「あつぎ定食」をはじめ、自家製の「モツ煮」が付いた「おひさま定食」、さらに鮎塩焼きが付いた「おひさま三点盛り定食」が用意されています。夏の一大イベント「鮎まつり」でも有名な厚木まで足を運ぶなら、鮎一尾も付いた三点盛りをいただきましょう!

お店を切り盛りするのは、店主の鮫島さち子さんです。七輪の炭火で焼くことに不慣れなお客さまには、自ら焼き方を見せて、コツを教えてくれます。
お店の開店は2013年。それ以前も厚木市内で居酒屋を経営されていらっしゃったそうですが、この場所への移転をきっかけに、厚木の特産である豚ホルモンやとん漬けを提供するお店に衣替えし、昼営業もスタート。新鮮なホルモンの美味しさを引き出すための下処理はもちろんのこと、自家製のモツ煮をはじめ、とん漬けも自ら仕込み、調理をされていらっしゃるそうです。
「上シロは、表面が焦げるくらいじっくりと焼いたほうが美味しいよ」とのことで、丁寧に火を当てながら焼きあげてゆきます。肉から落ちる脂で火の勢いが強くなるので、気を付けながら焼きましょう。とん漬けは表面の味噌で焼き色が付きやすいので、火の具合を見ながら位置を調整します。
焼くことで丸くぷっくりと膨らんだ上シロは、自家製の味噌ダレを付けて、いただきます。お皿の縁には青唐辛子入りの別の味噌も添えられており、お好みで味変しながら楽しむことも。脂がのった上シロの濃厚な風味と食感が格別です。ごはんも厚木産のお米を使っているとのことで、まさに地産地消を体現したようなお店です。


開店前に毎日仕込んでいるという「モツ煮」は、ほんのりと生姜が効いた味噌仕立て。新鮮な豚の大腸ホルモンを丁寧に下処理し、何度も煮出しているそうで、臭みや癖も一切なし。ひと口食べると、その見た目を裏切る上品なお味に驚きます。「上シロと同じホルモンを使っています。カレーでも何でも、よく煮込んだほうが美味しいって言うけど、私は出来立てが一番だと思うよ。」と、さち子さん。
料理ごとに微妙に味わいが異なる味噌について聞いてみると、上シロの味噌ダレも、モツ煮で使う味噌も、とん漬けの味噌も全て異なるそうで、白味噌や赤味噌を組み合わせたり、使い分けたりしているとのこと。研究熱心で、美味しいものを提供したいというさち子さんのお気持ちが、伝わってきます。

鮎の塩焼きは、香ばしく焼きあげられ、紅生姜を添えて提供されます。冬場は子持ち鮎が多いそうで、ぷっくりとお腹が膨らんでいます。
「鮎も七輪で少し火にかけると、もっと美味しくなるよ」と、さち子さん。素直に従って、鮎を恐る恐るのせてみます。上シロ、とん漬け、そして鮎が並び、厚木の名物が揃った「厚木焼き」の様相となった網が思いのほか映えます。勢いを増す炎に呼応しヒートアップする食欲。お肉も鮎も、程よく火を入れて、熱々をいただきましょう。
平日限定のランチで提供される各定食は、ご飯とお漬物、小鉢2品と野菜が付いて、満腹になること請け合いです。平日の夕方以降や週末は、単品メニューとして提供されています。いろんな料理を仲間と一緒にシェアして焼きながら楽しむのがおすすめです。珍しいホルモンの燻製や唐揚げも人気メニューとのこと。
ハイキングや温泉で汗を流した後なら、冷たいビールと一緒にいただいたら最高でしょうね。さち子さんは鹿児島県種子島のご出身とのことで、ふるさとの種子島や鹿児島産の珍しい焼酎類も充実しています。


店名の「おひさま」は、いつも明るくて元気を与えてくれる太陽のようなお店にしたいとの願いを込めて名付けられたとのこと。開店から10年を超えた現在は、お母さんのように気さくに接してくださるさち子さんに会うために、来店されるリピーターさんも多いのだとか。
平日は開店の11時からラストオーダーの15時までがランチタイムとして営業されています。13時半以降で少し時間を外して訪問するとゆっくりと食事を楽しむことが出来るかも知れません。土日祝日は午前11時から夜まで終日営業されています。
まるで「おひさま」のような七輪の炎を見ながら、焼き立てのホルモンやとん漬けをいただいていると、エネルギーとパワーが満ちて元気になってくるようです。誰をも元気にしてくれる名曲「じょいふる」しかり、厚木には人を元気にしてくれる魅力もあるようです。厚木周辺、七沢などでたっぷり遊んだ後に、お腹を空かせて、ぜひお立ち寄りください。
INFORMATION
厚木シロホルモン おひさま
地元厚木産の豚ホルモンや豚ロース肉の味噌漬け「とん漬け」を七輪の炭火で焼きながら味わうことができるお店です。平日のランチタイム(11~15時)には、定食としていただくことができます。毎日仕込む「モツ煮」は、丁寧な下ごしらえと調理で、上品な味わいの人気メニュー。店主鮫島さち子さんご出身の種子島や鹿児島産の焼酎も充実しています。
11種類の国産銘柄豚の旨味を堪能できるとんかつ専門店「とんかつ こばやし亭」


本厚木駅北口の賑やかな街並みから歩いて20分ほど。「厚木合同庁舎」近くにある「とんかつ こばやし亭」(1980年創業)は厳選された国産銘柄豚で作るとんかつが評判のお店です。丁寧な仕込みと揚げの技術で肉の旨味を最大限引き出したとんかつを目当てに、地元のみならず、遠方から定期的に通うお客さまもたくさんいらっしゃいます。
「とんかつ」と大きく書かれた暖簾をくぐると、左に座敷、右側に調理場に面したカウンター席があります。いかにも街中の「とんかつ屋」らしい、親しみやすい風情の店内には、意外にもボサノバやジャズのBGMが静かに流れています。

現在、「こばやし亭」で扱っている銘柄豚は北海道産から沖縄県産まで、なんと11種類。北から順に(1)北海道産「日高四元神威(よんげんかむい)豚」、(2)宮城県産「32℃豚」、(3)宮城県産「マンガリッツァ豚」、(4)山形県産「庄内三元(さんげん)豚」、(5)福島県産「麓山高原(はやまこうげん)豚」、(6)千葉県産「いも豚」、(7)地元湘南産「みやじ豚」、(8)宮崎県産「霧島豚」、(9)鹿児島県産「黒豚」、(10)鹿児島県産「令和香潤(こうじゅん)豚」、(11)沖縄県産「あぐー豚」というラインアップです。
一口に豚肉といっても、種類によって肉質、脂の入り方、旨味や薫りが異なっており、特に脂の味わいの違いがそれぞれの個性となっているそうです。脂の旨味たっぷりの「こってりタイプ」から、さらっと軽い「さっぱりタイプ」まで千差万別ですが、いずれも店主の小林さんが長年培った経験をもとに「とんかつにして美味しい豚肉」という判断で厳選したものばかり。
生産者との繋がりを大切にしながら、常に肉質の変化にも留意し、味が変わった、味が落ちたと判断した場合には取り扱いをやめることもあるそうです。


肉は注文ごとに仕込み作業を行います。ロースはブロックから1枚ずつスライスし、火の通りを良く、柔らかくするために丁寧に「筋切り」します。ヒレは薄皮をはがし、筋を取ってミートチョッパーで叩くという下処理をして、揚げの工程へ。


肉は注文ごとに仕込み作業を行います。ロースはブロックから1枚ずつスライスし、火の通りを良く、柔らかくするために丁寧に「筋切り」します。ヒレは薄皮をはがし、筋を取ってミートチョッパーで叩くという下処理をして、揚げの工程へ。


厚さのある肉は旨味を十二分に引き出すために真ん中にほんの少しピンクが残るくらいで揚げ終えます。余熱でじわじわと熱を通すことで柔らかくジューシーなかつになるそうです。

ランチメニューの銘柄豚は定番メニューとして山形県産「庄内三元豚」と千葉県産「いも豚」の銘柄がラインナップされているほか、日替わり銘柄豚の「本日の特選とんかつ」(数量限定)が用意されています。この日の特選とんかつは鹿児島県産「令和香潤豚」でした。もちろん、グランドメニューから各種銘柄豚のとんかつもオーダーできます。(仕入れや在庫状況で売り切れの場合もあります)
ランチでは気軽にいただける「とんかつランチ」(カナダ及び米国産豚肉)、「上とんかつランチ」(一般的に流通している国産豚)も用意されており、すべての定食になめこのお味噌汁、小付け、お新香、冷奴が付きます。また、とんかつ以外にチキンかつ、海老フライや魚介のフライといたメニューもあり、お子さま連れにも好評です。


揚げたてを店主小林さんのおすすめに従い、まず何もつけずそのままで。そのあと沖縄産の塩をパラっと振っていただきました。(テーブル上にソースも用意されていますが、塩で食べると肉の旨さ、脂の甘さをストレートに味わうことができます。)
肉厚にスライスされた鹿児島県産「令和香潤豚」のロースかつ(写真左)は、まず一口目で肉質の柔らかさに驚かされます。とろけるような脂の部分はあっさりとして甘みがあり、赤身肉は噛みしめると強い旨味を感じられ、部位ごとの味わいのハーモニーが楽しめます。
柔らかい福島県産「麓山高原豚」のヒレかつ(写真右)はコクがありながら、すっきりとした味。パサつきがちなヒレですが、冷めてもしっとりしているので、お弁当でテイクアウトされるお客さまも多いようです。

「こばやし亭」の創業は1980年。先代が始めた当初は、唐揚げや生姜焼きが人気の定食店だったそうです。お店を切り盛りする父親の背中を見ながら育った現店主の小林成行さんも、料理人を志して箱根の割烹旅館で働き、京都の懐石料理店で腕を磨いた「板長」の下で3年間日本料理の修業を積みます。そして1995年、30歳で「こばやし亭」を継ぐことになります。
先代から受け継いだ定食メニューを作り続ける中で、ターニングポイントになったのが「イベリコ豚」との出会いでした。当時少しずつ知名度が上がっていた「イベリコ豚」を入手し、とんかつにしたところ、今まで経験したことがない味わいに「こんな豚肉もあるのか!」と感動。それからは、都内の有名とんかつ料理店を食べ歩いて研究し、技術に磨きをかけます。また、気になる豚肉を生産者から取り寄せては調理し、「かつに合うかどうか」の検証を重ねます。「こばやし亭」のメニューも徐々にとんかつの比率が高くなり、8年ほどかけて「とんかつ専門店」にシフトされたそうです。
当時は、馴染みのない銘柄豚はすぐにはお客さまに受け入れてもらえなかったそうですが、次第に多様な肉の味わいが評判となり、今では11種類の豚肉を「すべて制覇したい」と通う方もいらっしゃるそうです。
本格的にとんかつに取り組んで20年以上となる小林さん。受験シーズンには馴染みのお客さまから合格祈願「かつ弁当」の予約も受けたりするなど、しっかりと地域に根差したお店として親しまれています。
厚木周辺にレジャーでお出かけの際には、家族や友人と一緒に銘柄豚のとんかつ食べ比べをしてみてはいかがでしょうか。
INFORMATION
とんかつ こばやし亭
店主の目利きで厳選した11種類の国産銘柄豚を堪能できるとんかつ専門店。仕込み、衣、油、揚げにいたるまで全てに店主の長年の経験と技術が生かされたとんかつは、豚肉本来の旨味、甘みが味わえると評判です。とんかつ以外にもチキンかつ、海老フライなどのメニューがあり、すべてテイクアウトが可能です。