独自の世界観が支持される本厚木駅前の人気カフェ

神奈川県厚木市、本厚木駅から徒歩圏内にある人気の「カフェ」をご紹介いたします。提供するメニューやサービス、そしてお店の雰囲気もまったく異なりますが、それぞれ唯一無二の世界観が支持されている人気店です。「お粥」と「コーヒー」という二つの店を代表するメニューと空間を体験しに、ぜひお出かけください。

ヘルシーなお粥と新鮮野菜のサラダを楽しめるお店「Okayu-stand.Salad⁺(オカユスタンドサラダ)」

本厚木駅から歩いて2分ほど。通りに面したカフェバー風の建物が、多彩なお粥と水耕栽培野菜のサラダで人気の「Okayu-stand.Salad⁺(オカユスタンドサラダ)」です。メニュー写真がずらりと並ぶ店前のポスター看板が目を引きます。

白壁に木の質感をいかした床、シンプルなテーブルと椅子が並ぶお洒落で明るい空間は、一人でも複数人でも気軽に食事が楽しむことができそうです。吹き抜けになっていて開放感のある2階フロアも無垢材のテーブル席が並びます。夜はお粥だけでなく、豊富なアラカルトメニューやコース料理もあるので、家族や友人との会食にぴったりですね。

Okayu-stand.Salad⁺のお粥は長時間煮込む中国粥と違い、国産米と十八穀米を鰹や昆布等の和風出汁で20分ほど炊いているのが特徴。出汁とトッピングの具材の旨味がマッチしたお粥はトロリとした食感で食べ応えがあります。

「シャケと水菜」「梅と青じそ」「きのこ餡掛け」といった一般的なお粥に加え、「明太クリーム」「ゴボウと豆腐のそぼろ」「トマトとチーズ」などユニークなお粥も含め、全部で8種類が揃っています。また、夏には冷製粥の提供もされています。

終日提供されているお粥は単品でもセットメニューでも注文ができます。モーニング(8:30-10:30)の朝粥セットは日替わり3種類から1つのお粥を選択し、サラダ、ドリンクが付いたセット。ランチタイム(10:30-14:00)は8種類のお粥から1つを選択でき、サラダ、煮物、ドリンクが付くセット(写真上)になっています。

ランチのセットでいただいた「明太クリーム」粥はミルク風味のクリーム、明太子、青じそ、胡麻がトッピングされ、混ぜて味変しながら食べると、まろやかな旨味と薬味の風味の変化を楽しむことができます。

お粥を食べられるカフェとして前身の「Okayu-stand.(オカユスタンド)」がオープンしたのが2012年。そして、2022年からは店内で野菜の水耕栽培を開始し、収穫した野菜をサラダで提供することに。店名も、お粥とサラダが自慢の店ということで「Okayu-stand.Salad⁺」にリニューアルされました。

水耕栽培の葉物野菜を使った人気メニューが「パワーサラダ」。たっぷりの野菜に肉や魚介、豆類など様々な食材がトッピングされた栄養バランスがよいヘルシーなサラダで、見た目もボリュームも満足感のある一皿です。

現在、店内で水耕栽培している野菜はサニーレタス、ルッコラ、わさび菜、ケールなどで、「お店ではその日に収穫した新鮮な野菜をご提供しています」と店長の森谷さん。自店で生産した野菜を自店舗で消費し、販売する「店産店消」を目指しているそうです。

サイドメニューの「焼き小籠包」は豚肉に牛タンのコクと旨味、鶏軟骨の食感をプラスした贅沢な一品。蒸し焼きにしたあと、仕上げにごま油を加え、香ばしく揚げ焼きしてあるので、皮のモチモチ感とパリッとした食感を同時に味わえます。そのほか、野菜たっぷり海老のアヒージョ、せいろ蒸し料理もあり、お粥以外のお料理を楽しむことができます。

アフターヌーン(14:00-17:00)メニューでは、お粥や点心の他にスイーツも楽しむことができます。「トマトゼリー」はトマトとオレンジの果汁を使ったゼリーに生クリームがトッピングされており、酸味と甘みが爽やか。
豆腐と生クリームを使った「レア豆腐ケーキ」は滑らかな食感で、カロリーは控えめながらレアチーズケーキのよう。フルーツソースとレーズンがトッピングされ、オレンジピールが添えられています。

「駅周辺にはたくさんの居酒屋や料理店がありますが、女性が一人でフラッと入れるお洒落なお店が少なかったんです」と開店当初から店長を務め、自ら厨房に立つ森谷さん。

開店にあたってオーナーとともに決めたお店のコンセプトは2つ。駅近くで一人でも気軽に立ち寄れ、ヘルシーなお粥を楽しめる店。そして、休憩時間なしで8時半から22時半まで営業し、朝・昼・夜といろいろな使い方ができる店。たとえば、朝の出勤前にさっと朝粥を。ちょっと出遅れてしまった時のランチで。夜は豊富なアラカルト料理を仲間と共に楽しむことが出来るお店。

味はもちろんのこと、朝から夜まで通し営業であることやテイクアウトメニューも充実していることなどから、使い勝手の良さも地域の人たちに受け入れられ、「Okayu-stand.Salad⁺」は街の人気店となりました。

身体に負担が少なく、やさしい食事ということで、人間ドックを受診した帰りにランチでお粥を食べに寄られる方も多いそうです。お粥を中心にしながら、ヘルシーな水耕栽培野菜のサラダや一品料理も揃う「Okayu-stand.Salad⁺」。厚木にお出かけの際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

※掲載情報は取材日時点(2024年7月)のものです。

INFORMATION

Okayu-stand.Salad⁺(オカユスタンドサラダ)

本厚木駅南口近くの、国産米と十八穀米を和風出汁で炊いたヘルシーなお粥と店内水耕栽培のフレッシュ野菜を使ったサラダを楽しめるお店です。夜はお粥以外にアラカルトメニューも豊富。8時半から22時半まで休憩時間なく営業しており、モーニングからランチ、ディナーまで何時でもヘルシーな食事を楽しむことができます。


漆黒の空間でいただく自家焙煎珈琲の濃厚エスプレッソ体験「カフェ鈴木」

本厚木駅からすぐの厚木公園(はとぽっぽ公園)に隣接したマンションの1階に、思わず足を止めて見入ってしまうお店があります。経年を感じさせる赤褐色の金属板に、低い引き戸という、茶室を現代的に表現したかのような外観。小さく「鈴木」というサインがあり、夜だけ営業するバーのような佇まい。

中の様子も分からず、メニューの掲示も一切ないお店の名は「カフェ鈴木」。自家焙煎のコーヒー豆を使った専門店として1999年秋にオープンし、毎日14時から24時まで営業されています。

小さな木戸を引き店内に入ってみると、まずは店内の暗さに驚き、目が慣れてくると「カフェ」という言葉のイメージとは異なる空間に二度驚きます。お店の奥には立派なイタリア式のエスプレッソマシンが聳え立つカウンターがあり、両壁を背にして二列のカウンター席が並んでいます。オーナーの鈴木さん、バリスタの高橋さんらが迎え、席を案内してくださります。

程よい高さのベンチ式の席に腰を下ろすと、まずは華奢なグラスにロックアイスが入った「お冷」が運ばれてきます。

ひときわ目を引くエスプレッソマシンは、イタリアBEZZERA社の名器、「イーグル」。その名の通り本体の最上部には鷲が大きな翼を広げ、暗い空間に輝きを放っています。

メニューは全部で15種ほど。ドリンクメニューは全て、店内で自家焙煎された新鮮な豆のみを使い、丁寧に、しっかりと圧をかけて抽出したエスプレッソコーヒーを使って提供されています。

メニューに当店のお勧めとある「EXCELLENT CAFFE」は、コーヒーパフェとコーヒーのセットメニュー。写真上は、抽出されたコーヒーを冷やし、コーヒーパフェを仕上げているところ。目の前で銀の容器から注がれる冷たいエスプレッソ。カフェの域を超えた喫茶体験に、期待が高まります。

煮小豆とバニラアイスクリーム、そしてスポンジ生地が入ったコーヒーカップに冷たいエスプレッソが注がれたコーヒーパフェ。濃厚なエスプレッソの味と香りがアイスクリームと小豆にもよく合います。小さなケーキも付いているのが嬉しいですね。

コーヒーパフェを食べ終える頃に、「お口直しにどうぞ」と運ばれてくるのが、薄めに抽出したというエスプレッソコーヒー。ストレートでいただくと、苦みも雑味も一切ない、味わい深いコーヒーが口の中で広がってゆくのを実感します。これは美味しい。

お店を代表するもう一つの人気メニュー「エスプレッソ・ゼリー」も、コーヒーカップの中で完成される一品です。エスプレッソに寒天を入れた液体を注ぎ、ゆっくりとスプーンで混ぜると瞬く間にジュレ状に固まり始めます。

メニューには「食べるコーヒー。賞味期限30秒」と書かれており、緩く固まったゼリーと一緒に小豆やバニラアイスと一緒にいただきます。「EXCELLENT CAFFE」と同じく、小さなケーキとコーヒーが付きます。

「アイスエスプレッソ」
ロック氷とバニラアイスが入ったコーヒーカップに抽出され冷やされたエスプレッソを注いでいただく一杯。まるでアフォガードのようですが、主役はあくまでエスプレッソ。濃厚なエスプレッソに溶け出すバニラアイスがクリーミーで飲みごたえのある一品。小さなケーキ付き。

「カフェ・ラッテ」
スチームされたミルクに抽出されたばかりの熱いエスプレッソを合わせた一杯。こちらもバニラアイスが入っており適度な甘さを感じる一杯です。こちらも小さなケーキ付き。

木目も色合いも美しいブビンガの一枚板のカウンター席は、まるでオーセンティックなバーのよう。対面に座るお客さまの視線はダウンライトによって遮られ、ほどよい距離感を生み出しています。

お店のデザインは故橋本夕紀夫氏によるそうで、インテリアをはじめプロダクトデザイナーとしてもご活躍された橋本氏の息吹を感じることも出来る贅沢な空間になっています。

「外壁をはじめ、店内の壁の一部や天井などには銅板を使っています。席の背中側には黒御影石、その上には和紙に葦を配置し、漆を塗って仕上げています」とのこと。大きくはない空間ながら、異なる素材を組み合わせ作られた独自の世界観は、建築やインテリアに興味がある方も必見です。

完成された茶室のように美しい空間に驚いていると、「ワクワクするような暗さ、非日常感のあるお店を作ることは出来たけれど、もう少し隙のある空間にしたほうが良かったかな。少し抜け感があったほうがお客さまはリラックスできるでしょう」と、鈴木さん。暗さに目が慣れる頃には、店内に満ちる珈琲の香りも手伝い、凛とした空間のなかにも寛ぎを感じられるから不思議です。

エスプレッソマシンを操るのは、バリスタの高橋さん。オーダーが入ってから豆を挽き、丁寧にエスプレッソを抽出しています。無駄のない所作が、コーヒーの味にも現れているよう。

「店内の機械を使って深煎りで焙煎しています。現在はアフリカ・ケニア産の豆を使っています」とのことで、鮮度の観点から焙煎から3日以内には使い切ってしまうそう。コーヒーの味わいを追求される姿勢が伝わってきます。

「EXCELLENT CAFFE」や「エスプレッソ・ゼリー」で提供される薄めのエスプレッソコーヒーの味、ひと口目はほのかに苦いけれど、雑味がなくすっと入ってくる奥深い味わいが忘れられません。

「前味、中味、後味という3つの味を大切にしています。前味はコーヒーをお召し上がりいただく前、インテリアやカップやお皿などの設えのこと。中味は、コーヒーそのもの。そして後味は、空間とコーヒーの余韻です」と、鈴木さん。

店内に静かに流れるオペラ調のBGMとコーヒーの香りに満ちた空間。暗闇の中に差し込むわずかな外光と微かに存在するお客さまの会話。漆黒の空間でいただく極上のエスプレッソに浸る贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

※掲載情報は取材日時点(2024年8月)のものです。

INFORMATION

カフェ鈴木

本厚木駅北口のほど近く、赤褐色の銅板の外壁に背の低い引き戸という独特の外観、店内は外光やライティングも抑えられた暗い空間が広がる自家焙煎コーヒーの専門店です。オーダーが入ってから豆を挽き抽出するエスプレッソを使った独自のメニューが人気です。漆黒の静かな空間で贅沢なコーヒー体験を楽しむことができます。